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第4話
「待って…くださ…せんせ…っ」
シンクの縁に手をついた千春は息を乱し涙目になりながら訴えていた。
「ダメですよ」
中村はピシャリと言うと千春の逃げる腰を引き寄せる。
混乱と動揺と羞恥でどうにかなってしまいそうだ。
まさか、まさか初対面の息子の担任の先生に家庭訪問でこんな事をされるなんて思ってもみなかったからだ。
千春は今とんでもない格好になっていた。
穿いていたスラックスと下着はずり下ろされ、膝の辺りで丸まっている。
辛うじてシャツは着ているもののそれも捲られているため、肌を隠すという機能は最早はたしてはいない。
つまり今、千春は下半身丸見えというひどい状態なのだ。
中村はその千春の背中にぴったりとくっつくと、背後からまわしてきた手で千春の身体を好き勝手に触っていた。
その手つきが余りにも卑猥で巧みで、千春はさっきからずっと翻弄されっぱなしなのだ。
「待って…って…あんっ」
シャツの裾から潜り込んできた中村の指先に胸の粒を引っ掻かれて、思わず変な声を出してしまう。
「どうして?千春さんのここ、もっと触って欲しいって言ってますけど?」
もう片方の中村の手が千春の勃起した陰茎にいやらしく絡みついてくる。
クチュ…という水音を立てながら上下に擦られて、千春はまた変な声を出してしまった。
「タイプだから」という至ってシンプルな理由と強引さに流されて、いつの間にか千春は中村に組み敷かれていた。
彼にとっては千春が自分より年上でおじさんで教え子の父親という事は全く関係ないらしい。
おかしい。
息子の担任の教師と、家庭訪問でこんな事になるなんて絶対におかしい。
でも一番おかしいのは本気で抵抗していない千春自身だ。
その気になれば中村を突き飛ばして逃げ出せているのに、千春はそれをやっていない。
「気持ちいいですか?腰、揺れてきてますよ」
うなじに吸いつかれながら揶揄されて、顔がかぁっと熱くなっていく。
だって仕方ない。
先走りを纏わせた手でヌルヌルと扱かれたら、誰だってたまらなくなるに決まっている。
しかし快楽の原因は決して手淫だけではなかった。
背後から時折聞こえてくる中村の上擦った吐息が、千春の欲情を頻りに煽ってくるのだ。
唇を噛みしめていると、両脚を開かされ上体を倒すよう促された。
尻を突き出すような格好にされて、千春は慌てて中村を振り返る。
すると彼はあろうことかその場にしゃがみ込み、千春の股間を間近で凝視し始めた。
「千春さん、顔だけじゃなくてここの形も色も俺好みじゃないですか」
恥ずかしい場所をそんなアングルから見つめられて、その上股間の形状や感じ方まで褒められる。
千春は最早絶句するしかなかった。
恥ずかしさのあまり顔から火でも吹いてるんじゃないかと思う。
すると突然、陰茎を擦り立てる手つきが速くなった。
下腹部が一斉に波打ち出し、精路を這い上がってくる感覚にブルリと震える。
イってしまう。
初対面の中村の目の前で。
迫りくる絶頂に怯え、千春はいやいやと首を振った。
「や、やだ…っ、やだやだ」
「嫌じゃないですよね?こんなにパンパンにして」
今度は双果を鷲掴みされてグニグニと揉まれる。
「あ…あんっ…あ、あ、ぁあ」
射精を促すような手淫に千春の口からひっきりなしに甘い声が漏れた。
恥ずかしい。
男のくせにこんな声を出すなんて。
唇を噛んで必死になって声を抑えていると、千春を追い詰めるようにますます愛撫が激しくなっていく。
ダラダラと蜜を溢す穴を指先でしつこくほじられて、千春はヒィヒィと咽び泣いた。
「ほら我慢しないでイっちゃいなよ。千春のエッチな声、もっと聞きたいな」
太腿をねっとりとした舌に舐め上げられる。
低い声と甘い吐息、いつの間にか砕けた口調に意表を突かれ、千春はあっという間に快楽に飲み込まれた。
下腹が焼けるように熱くなり、堪えきれなくなった欲望が精路を凄い勢いで上ってくる。
「ひぃ…あぁぁっ…あぁぁっっ!!」
千春ははしたなく腰を揺らしながら、屹立した先端から白濁をぶちまけた。
シンク下のキャビネットの側面をどろりとした精液が滴っていく様を見つめながら、千春は呆然としていた。
これは現実だろうか、それとも夢の中か。
とにかく頭がふわふわとして何だかよくわからなくなってくる。
すると背中ににひやりとした感触がして千春は我に返った。
後ろを振り返ると、中村がとろりとした何かを千春の尻に塗りつけている。
「千春はここ、当然初めてですよね?」
何かを塗りつけていた指先が、千春の後孔をツンツンと突つく。
「ちょ…っ!!そこは…」
「大丈夫、痛い事はしないから、ね?」
中村はそう言うと、瞠目する千春の片足を持ち上げシンクの縁に乗せた。
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