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【7】SIDE蓮見(7)-1 ※R18

 間仕切りの襖を引くと、畳の上に、きちんと整えられたセミダブルのベッドがぼんやり見えた。  真っ赤になってうろたえる三井が愛しい。思わず抱き上げてベッドまで運ぶ。 「は、蓮見……」  重くないかと眉を寄せる。それがなぜか可愛くて、つい笑ってしまった。三井の眉がさらにひそめられる。 「さすがに軽くはないけど……」  できるだけゆっくりベッドに降ろした。  ネクタイを残したまま、乱れたシャツをまとった三井が無防備に蓮見を見上げる。隣室からの明かりが蓮見の影をその上に落とす。  三井を覆う自分の影。  もう待てない。  脳が煮えて身体中が熱くなる。  締め切られていた部屋はまだ少し肌寒かったが、部屋の温度が馴染むのを待たずに上着とシャツを脱ぎ捨てた。尻のポケットから財布を抜き、蹴るようにしてジーンズを飛ばす。  ボクサーパンツ一枚になって三井の上に乗り上げると、細い身体を包んだシャツとネクタイを奪い去った。ベルトを外してスラックスを引き抜く。  下着に指をかけると、そこで初めてわずかな抵抗を受けた。蓮見の手に自分の手を重ね、三井が泣きそうな顔で唇を噛む。  一度動きを止めて、緊張で硬くなった身体をそっと抱きしめた。 「大丈夫だから……」  意味のない言葉で励ます。  財布の中からお守り代わりの避妊具を取り出す。全部で三つ。それを頭の横にある小さな棚に置いた。  三井の頭を両手で包む。人形のような大きな瞳に蓮見自身が映っていた。小さく開いた唇から吐息が零れ落ちる。それを掬い取るように唇を重ねる。  三井の身体は、夢の中のものよりはるかに美しかった。  蓮見が作る影の下で、肌理の細かい白い肌が息づいている。陶器のような見た目に反してほのかに温かく、触れると手に吸い付くように滑らかだった。  想像の中で何度も奪った身体を、確かめるように愛撫する。キスを繰り返しながら、身体中に手のひらと指を這わせた。 「あ……」  わき腹や腰骨に触れると、三井が吐息を零す。  首筋から胸へと唇を這わせて、女性のものよりはるかに小さい桜色の突起を舌で転がした。 「あ……っ」  三井の背中が浮き上がる。 「ん……」 「ここ、感じる?」 「わかん、な……。あ……」  切なく喘ぐ声が脳を痺れさせる。何度も吸いつき、甘く噛み、もう一方の小さな粒を指で摘まんで転がす。 「あ、はす……、み……」  いやいやをするように首を振って浅い息を吐いた。  蓮見の名を、囁くように繰り返し呼ぶ。

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