58 / 207
【7】SIDE蓮見(7)-1 ※R18
間仕切りの襖を引くと、畳の上に、きちんと整えられたセミダブルのベッドがぼんやり見えた。
真っ赤になってうろたえる三井が愛しい。思わず抱き上げてベッドまで運ぶ。
「は、蓮見……」
重くないかと眉を寄せる。それがなぜか可愛くて、つい笑ってしまった。三井の眉がさらにひそめられる。
「さすがに軽くはないけど……」
できるだけゆっくりベッドに降ろした。
ネクタイを残したまま、乱れたシャツをまとった三井が無防備に蓮見を見上げる。隣室からの明かりが蓮見の影をその上に落とす。
三井を覆う自分の影。
もう待てない。
脳が煮えて身体中が熱くなる。
締め切られていた部屋はまだ少し肌寒かったが、部屋の温度が馴染むのを待たずに上着とシャツを脱ぎ捨てた。尻のポケットから財布を抜き、蹴るようにしてジーンズを飛ばす。
ボクサーパンツ一枚になって三井の上に乗り上げると、細い身体を包んだシャツとネクタイを奪い去った。ベルトを外してスラックスを引き抜く。
下着に指をかけると、そこで初めてわずかな抵抗を受けた。蓮見の手に自分の手を重ね、三井が泣きそうな顔で唇を噛む。
一度動きを止めて、緊張で硬くなった身体をそっと抱きしめた。
「大丈夫だから……」
意味のない言葉で励ます。
財布の中からお守り代わりの避妊具を取り出す。全部で三つ。それを頭の横にある小さな棚に置いた。
三井の頭を両手で包む。人形のような大きな瞳に蓮見自身が映っていた。小さく開いた唇から吐息が零れ落ちる。それを掬い取るように唇を重ねる。
三井の身体は、夢の中のものよりはるかに美しかった。
蓮見が作る影の下で、肌理の細かい白い肌が息づいている。陶器のような見た目に反してほのかに温かく、触れると手に吸い付くように滑らかだった。
想像の中で何度も奪った身体を、確かめるように愛撫する。キスを繰り返しながら、身体中に手のひらと指を這わせた。
「あ……」
わき腹や腰骨に触れると、三井が吐息を零す。
首筋から胸へと唇を這わせて、女性のものよりはるかに小さい桜色の突起を舌で転がした。
「あ……っ」
三井の背中が浮き上がる。
「ん……」
「ここ、感じる?」
「わかん、な……。あ……」
切なく喘ぐ声が脳を痺れさせる。何度も吸いつき、甘く噛み、もう一方の小さな粒を指で摘まんで転がす。
「あ、はす……、み……」
いやいやをするように首を振って浅い息を吐いた。
蓮見の名を、囁くように繰り返し呼ぶ。
ともだちにシェアしよう!