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【16】SIDE三井遥(6)-4 ※R18

 怖くはなかった。  人に見せたことも、触れられたこともない場所を指で開かれる。左右に開いた足を高く上げさせられ、秘めていた場所を好きな男の眼前に晒す。  羞恥もプライドも、どこにもなかった。  信じた相手に身を任せる。  汗と涙で霞む目で、額に汗を滲ませた蓮見の顔を見ていた。蓮見はうつむき、重い熱塊を右手で支えていた。  それを、まだ固い蕾にねじ込む。 「あ……っ」  想像以上の痛みに身体が浮き上がった。悲鳴に近い声が喉を通り抜ける。 「あ、ああ……っ」 「ごめん……」  荒い息と一緒に蓮見が囁く。待てない、我慢できないと訴えるように、身体が先に遥を翻弄してゆく。 「あ、あ、あ……」  揺さぶられ、奥に進まれるにつれて、全身が二つに裂けるのではないかと思うほど、強い痛みを感じた。  涙が滲む。視界が霞む。短い呼吸を繰り返し、首を左右に振った。  苦しかった。  蓮見が遥の頭を撫でる。額にキスを落とす。  見上げる顔には憐憫と情欲が混在していて、さらにその奥に獰猛な雄の気配が顔を覗かせていた。  欲しいと、本能の声が聞こえる。 「ああああ……っ」  突然、奥まで貫かれて、遥は再び悲鳴を上げた。  それから後は何もわからなくなった。苦しくて辛いのに、それが嬉しくて、離さないでほしいと蓮見の身体にしがみついた。  痛みや苦しさに混じって、つながった場所に淫靡な痺れが生まれる。内側を擦られる感覚に愉悦が混じり始める。  それを追うように、身体が変わってゆく。  突かれる度に上がる自分の声に甘さが混じるのがわかった。 「あ……、あ……っ」 「三井さん、好きだよ。好きだ……」 「ああ……っ、あ……っ」  蓮見の動きが激しくなり、速い活塞の末に一度果てる。  呼吸が整う間もなく、すぐに二度目を求められた。 「一度じゃ足りない」 「あ、はす……、み……」  腰を揺らしながら指の刺激に追い詰められ、蓮見の手の中で遥も果てた。

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