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【20】SIDE蓮見(13)-1 ※R18
好きで、好きで、欲しくて、どんなに抱いても足りなくて、まるで今という瞬間に溺れるように三井を求めた。
けれど、そんな即物的とも思える蓮見の熱を、三井はどんな気持ちで受け止めていたのだろう。
女性を愛せない。ただそれだけのことを理由にして、三井は全てを失った。
結婚し、子どもを残す。たったそれだけの、多くの人が幸せだと信じている人生を生きられず、家という存在を通して社会の圧力の大きさを思い知らされてきたのだ。
西園寺は何度も、蓮見を「若い」と言った。この先、どんな相手が現れるかわからないだろうと。
その時のことを考えて、三井と関わるのはやめておけと言った。
いつか蓮見が、三井を残し、多くの人が望む幸せを選ぶ日が来ると考えたのだ。その時に三井が深く絶望するだろうことを危惧した。
美作優一に重ねて。
いつか終わる関係を、いたずらに深めるのはやめおいてやれと、懇願に近い警告をしていたのだ。
三井と気持ちを通じ合わせたばかりの頃、蓮見は確かに若さに突き動かされていた。それは自分でもわかっている。認めるしかないと思う。
三井に触れたいと願う、ほとんど本能に似た欲望ばかりが大きくて、一度触れてからは乾くように身体を求めた。
一つになっていたいと、狂おしいほど願った。
けれど、それはある意味自然なことなのだと思う。蓮見は三井に恋をしたのだ。好きだから触れたい、全部欲しいと望むのは当たり前のことだ。
身体を求める。
つながりたいと願う。
その渇望は、二つの魂を引き合わせるための目印のようなものかもしれないと、今も蓮見は思っている。三井に出会い、溺れるような恋を知り、身体という器を通して、これがおまえの唯一無二の相手だと教えられたと感じていた。
ほかの誰ものもでもなく、三井の身体が欲しかったのだ。
けれど……。
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