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【20】SIDE蓮見(13)-6 ※R18

 信じさせてやれない蓮見が悪いのだ。  身体も魂も全部一つになればいいと願いながら、深い場所まで三井を貫き、声を上げさせた。  そうしながら、こんなふうに身体ばかりつなげることがいけないのだと思った。 『暇さえあれば、でかいの突っ込んでアンアン言わせてんだろ』  西園寺の言葉を頭の中で繰り返す。  若いから。  どんなに好きだと言っていても、いつか心変わりする、身体に溺れているだけだと、どこかで思わせてしまっているのだ。  西園寺にも、三井にも。  どんなことがあっても、蓮見は三井の手を離さない。そう神に誓える。  けれど、例えば自分と同じように若く身体ばかり先に溺れた男を、蓮見自身が信じられるかと聞かれれば、わからないと答えるだろう。身体の熱が冷めた時、心変わりする若い男をいくらでも見てきた。  自分だけは違うのだと、どうして信じさせることができるだろう。  激しく突き上げ、一度高みにまで昇り詰める。蓮見の手で三井の精を吐き出させ、同時に奥に注ぎ込んだ。 「あ、あ、あ……っ」  まだ荒い息を吐き、床に崩れ落ちそうになる三井を背後から抱きしめる。身体はつなげたまま、怒ったように聞いた。 「俺が、下半身だけで、遥を好きだと思ってる?」  三井が答える前に続けて言った。 「もしそうなら、遥がしてほしいって言うまで、しない。一緒に住んでも、しないから。身体が目的じゃないって、証明してやる」  宣言するのと同時に、自身を引き抜いた。  三井の白い脚を残滓が伝って流れ落ちる。  自分の一部をどこかに置き忘れたような寂しさを胸に秘め、言葉を重ねた。 「今から、遥がいいって言うまで、挿れないから」 「蓮見……?」  三井が振り返り、目を大きく見開いて蓮見を見上げた。 「何を、言ってるの?」 「信じさせてやるから。身体が目的じゃないし、セックス無しでも、気持ちが変わらないってこと。早速、今から清い交際に戻る」

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