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【20】SIDE蓮見(13)-7 ※R18
戻ると言ってから、そう言えるような清い期間がなかったことを思い出し、ひそかに落ち込んだ。
今の今まで好き勝手に抱いていた。その口で、いったい何を偉そうに言っているのだという自省もじわじわと押し寄せる。
けれど、決めたのだ。蓮見には、ほかの方法が思いつかなかった。
三井が欲しくて、ずっと一つになっていたいと願うのも蓮見の愛の形だ。しかし、それだけではないということを、三井にわかってほしかった。
わかってもらわなければいけないのだと思った。
どんなものにも真摯に向き合う、不器用なくらい生真面目で一生懸命な人に、その不器用な一生懸命さを、蓮見がどれほどいじらしく愛しく感じているか、知ってほしい。
岩のように頑なな、深い心の傷を守るための鎧をそっと外してやりたい。
花のような優しさを守りたい。
何より、蓮見自身が三井にそばにいてほしい。そんな気持ちの全部をわかってほしいと思った。
「一緒に、暮らそう」
「蓮見……」
濡れた床の上に沈みそうな三井を抱き上げ、しっかり立たせた。身体を丁寧に洗い、備え付けのバスタオルで軽く包んで部屋に戻る。
「何か言うやつには、言わせておけばいい。俺は、平気だ。心配なのは、遥が嫌な思いをしないかどうかってことだけだ」
「僕は……」
「何か言われて、遥が傷つくなら、今のままでいい。我慢する」
やはり傷つくかと問うと、少し考えてから「傷つかない」と三井は答えた。
「平気……」
「だったら、お互い平気ってことで、決まりだ」
「でも……」
「でも、はもうおしまい。一緒に暮らす。それで、いつか……」
いつか。
言いかけて、この話は三井の心が本当に蓮見のものになるまで待とうと考えた。
安心して、全部預けて、蓮見を自分の家のように思ってくれるまで、待つ。
広いベッドに並んで寝転がり、しばらくごろごろしていた。
運動で使ったエネルギーが戻るまで身体を休め、昼過ぎに部屋を出る。ターミナル駅で名物の牛タン弁当を買い、新幹線に乗り込んだ。
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