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第5話 カクテル1p
ある国と国で戦争をしていました。
その、あまりにも長い戦いに休戦協定交渉がされ、A国のその交渉の席で、酒が供されることになりました。
宴もたけなわに美しい娘が、彼女が配合したという酒を運びます。
しかし、その酒は杯に一杯のみ。
一杯の酒を誰が飲むのか?
A国の者とB国の者、誰がこの杯を口にするのか?
その場に緊張が走ります。
と、娘が微笑み、杯に口をつけるとそれを飲み干しました。
娘のその姿に場の緊張が一気に溶けます。
協定交渉は和やかに、無事に終わりました。
B国の将軍がA国の王に、あの娘は誰かと尋ねると、A国の王は、あれは自分の娘で、コクテルというのだと言いました。
大した娘だとB国の将軍は感心します。
しかし、本当はA国の王も、娘が誰なのか知りませんでした。
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