165 / 245
第165話 恋人アプリやってみました4p
『恋人アプリでは、アナタと恋人との、ありとあらゆる恋愛シーンをナビゲート致します。恋人アプリには様々なコンテンツがあります。アプリのシュミレーションモードで恋人とのアレコレをシュミレートしたり、Q&Aでは恋人同士の問題についてのクエッションのアンサーを見つけたり。恋の裏技、恋人アプリを使って、是非、アナタと恋人との仲を深めていって下さい』
説明を読み終えた天谷は、ホッと息をつく。
天谷が息を付いたのもつかの間、アプリ画面が切り替わる。
画面には、アナタのデータ、とある。
(げげっ、これって、自分のデータの登録もしなきゃダメなの? め、めんど)
そう思いながらも、天谷はテキパキと登録してゆく。
性別。
年齢。
趣味。
などなど、登録してゆく。
そして、今度は恋人のデータの登録。
(ううっ、相手のデータまで登録すんの? 超めんど!)
だが、天谷は登録する。
まずは性別。
(性別って、日下部も男なんですけど! このアプリって同性でも大丈夫なわけ?)
性別、男を天谷は恐る恐る選択する。
ちゃんと登録で来た。
(な、何このアプリ、まさかの同性有り? 幅広っ! 神だよ!)
天谷は日下部の年齢を登録し、趣味で少し迷ってアートにした。
それからは登録に手こずった。
(うっ、日下部の好きな食べ物? 知らない。俺ってやっぱりあいつのこと全くわかってないかも)
天谷は日下部のデータ登録に一時間を費やした。
(はぁはぁ。やっと登録出来た。次は何?)
次は、現在のアナタと恋人とのラブラブ度診断、となっている。
この分析で、現在の二人の仲を分析して、これからどこを上げていっていけばいいのかリサーチするという。
(ら、ラブラブ度ぉ? だから、ネーミングセンス! 恥ずかし過ぎるだろ! やってられるか、あほ! っつ、だがしかし、日下部との仲を分析か。どうなんだろうな、俺達の仲って。き、気になる)
天谷は、「うっ」と声を上げて、ラブラブ度診断に進んだ。
ラブラブ度診断では、質問に、はい、いいえ、もしくは選択肢を選んで応えていく形になる。
今、天谷は、アナタの恋人は、アナタに対して優しい? という質問に答えているところだ。
(うーん、どうなんだろう。日下部は優しい……よな。はい)
はい、を選択する天谷。
次の質問。
アナタは恋人に対して優しい?
天谷は頭を抱える。
(いっ、いや。これは……俺、日下部に優しくとか、してない、よな。むしろ、冷たいかも。今日だって……いや、でも、行ってらっしゃいのキスなんて、恥ずかし過ぎるし! でも、うん、普段から日下部に冷たい態度取ってるよな。優しくとか、何か、恥ずかしくて)
天谷は、いいえ、を選択する。
ともだちにシェアしよう!