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第168話 恋人アプリやってみました7p

 次の画面には、ラブラブ度診断の結果からのアドバイスが表示されていた。  天谷はそれを読んでみる。 (えっと、恋人として、まだまだこれからの二人。ひょっとしたら友達みたいな関係が続いているのでは? アナタ次第で二人の仲はもっと親密になるはず。勇気を出して、アナタの方からアクションしてみましょう。彼の気持ちに出来るだけ応えてあげて。彼にたまには優しく接してみて。そして、友達の仮面をはぎ取って、時には大胆に彼に甘えて見せて。それだけで、彼には十分な刺激になるはず、ハートマーク……)  アドバイスは的を得ていた。  天谷と日下部の関係は友達同士の延長線上にある。  その関係が心地よくもあり、もどかしくもある天谷だった。 (俺の方からアクションって、どうすれば……友達の仮面をはぎ取るって。大胆に甘えるって、日下部に? どうやって? 彼の気持ちに出来るだけ応えるって、行ってらっしゃいのキスをしろと? 無理です! 無理です!)  天谷が一人、あわあわしていると、図書館にエリーゼのためにのオルゴールの音楽が鳴り始めた。  これは、十二時を告げるメロディーだ。 (もう十二時か。売店で何か買って、リフレッシュルームで食べよ)  天谷は席を立つと売店へ向かう。  この図書館の売店は結構立派で小さなコンビニのようになっている。  図書館を利用する者は、この売店で弁当や飲み物、菓子などを買い、読書の合間にリフレッシュルームと呼ばれる飲食可能なスペースで食事を取るのだ。  棚に並んだ商品を見ながら、カロリーメイツでいいかな、と考える天谷。  しかし、天谷は日下部が言っていたことを思い出す。 (日下部、お菓子じゃないやつ食べろって言ってたよな。カロリーメイツってお菓子に入る? うーむ)  カロリーメイツの前で首を傾げて天谷はしばらく考える。  その間に売店の客は増えてゆく。 (わっ、早く買わないとリフレッシュルームの席いっぱいになっちゃう。うん、カロリーメイツは俺の中ではご飯ってことで! カロリーメイツと牛乳にしよう!)  カロリーメイツと牛乳の瓶を手にして、天谷は売店のレジの列にいそいそと並ぶ。  会計を済ませてリフレッシュルームへ。  リフレッシュルームの席は大体埋まっていたが、天谷は何とか空いている席を見つけることが出来た。  席に座り、ホッと一息付いて、天谷がカロリーメイツの封を切り、それを口に入れようとしたところ、天谷のマナーモードのスマートフォンが小さく震える。  天谷がスマートフォンを見ると、メールが一件。  日下部からだ。 (ああ、日下部、お昼休憩か)  天谷はカロリーメイツを一口齧り、メールを開いて読んだ。 『天谷、俺今、昼休憩中。お前、何してる?』  天谷はカロリーメイツ片手にメールの返信をする。

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