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第175話 恋人アプリやってみました14p
その選択による恋人の反応は…………。
躊躇いながらも、アナタは彼の手を握り返す。
すると、彼が勢い良くアナタに覆いかぶさって来た。
アナタのハートは、ドキドキで破裂しそうに。
画面の絵は、恋人同士が重なり合う姿に変わる。
天谷のスマートフォンを持つ手が焦りで震えだす。
(何? 何が起こってるんだ? 手を握っただけで、どうしてこんな展開に? これからどうなる?)
不安に駆られる天谷を他所に、イベントは進む。
アナタを熱のこもった眼差しで見る彼。
アナタは何も言えずに黙ってしまう。
「抱きたい」
彼の一言に、「えっ」と声を漏らすアナタ。
「いいだろ?」
甘い声で、彼はアナタを誘う。
ここで選択肢。
『アナタは彼に抱かれる? 抱かれない?』
一つ目の選択肢。
恥ずかしがりながら、「うん、いいよ」と言って、彼を受け入れる。
画面を見る天谷はパニックだった。
(嫌っ、なっ、何? だ、抱かれるとか、抱かれないとかって何? 一つ目の選択肢……彼を受け入れるって、無理だろ! 何で手を繋いだだけでこうなるの? 有り得ないだろ! うっ、でも、これ、いいえ、選択して大丈夫なの? うううっ)
天谷の顔から血の気が引いてゆく。
(うっ、落ち着け、俺! この場合の彼って、日下部のことだろ? 日下部とこんな展開あり得るのか? 日下部とだったら手を繋いだ時点で終わりな気がするけど……そもそも、日下部に、俺に対してそういう欲求ってあるわけなの? 今まで冗談でそのようなことは言われたことはあったけど……取り敢えず、日下部の要求を素直に受け入れるのは無しだ! いいえ!)
天谷は、いいえ、を選択。
二つ目の選択肢。
彼の態度にすっかり燃え上がったアナタ。自分から彼に唇を重ねて…………。
二つ目の選択肢の文書に、天谷は開いた口が塞がらない。
(何これ? 何か、最後のとこに含みある感じ、何なの? 無いわ。俺から日下部に、とか、そ、そんなこと…………)
天谷の頭に、一瞬、日下部とのそんなシーンが浮かび、天谷はその恥ずかしさで、机の上に頭を沈めた。
日下部にキス。
どんなタイミングでそんなことが起こりえるのか、と天谷は思う。
日下部に自分からキスなんて、天谷は考えただけで、どうにかなりそうだった。
(だめ、この選択肢はだめだ)
天谷は、二つ目の選択肢を、いいえ、にする。
三つ目の選択肢が現れる。
アナタは、「だ、ダメっ」と、焦りを示して、彼の体を押しやる。
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