184 / 245

第184話 恋人アプリやってみました23p

『失礼でしたら申し訳ございませんが、@あま様は大変奥手でいらっしやるご様子なので、恋人様からのアプローチに色々と恥ずかしがって断らてしまわれるのでしょう。そういう所も含め、@あま様のことを、きっと恋人様は愛していらっしゃることと思います。』  天谷はこの一文を読んで赤面する。 (あっ、愛してるって、日下部が、俺を? そんな風に考えた事無かった。は、恥ずかしい。まぁ、付き合ってるんだから嫌われてはいないと思うけど。日下部、実際のとこ、俺のこと、どう思ってるんだろう)  天谷は顔を赤くしたまま、メールの続きを読む。 『けれど、夜のお誘い、しかも、旅行の、となると話は別になります。  イベントの際もそうです。  クリスマスの一夜。  お誕生日の一夜、等々、大多数の恋人達にとって大切な一夜だということは、@あま様もご理解頂けることかと思います。  男というのはロマンチストなものなので御座います。  特別な夜に、大事な相手を抱きたい、と考えるのは男として当たり前のように湧いて来る感情であり、欲望なので御座います(全ての男に当てはまることとは言えませんが)。  抱かれる側としても、然り、かと(これも全てに当てはまるとは言えませんね)。  もしも、旅行の際に、夜のお誘いが全くなかった場合、こちらにその気が無いにせよ、はぁ? となりませんか?  そこで疑問なのですが、何故、@あま様が恋人様を拒んでしまうことを選ばれたか、ということで御座います。恋人様との初めてのご旅行。@あま様も、それなりに、どういうことになるかご想像はあったはずかと思います。』  天谷はため息をつく。 (すいません、赤式さん、想像だにしていませんでした)  天谷は再びメールの続きを読む。 『多分、@あま様は、夜のお誘いを受けるのを恥ずかしいと考えられたのだと思いますが、夜のお誘いを断られたのは、どうも恥ずかしさだけが原因では無いような気が致しました。  自分には無理だと、@あま様はおっしゃいますが、何か、追い詰められているような台詞に感じました。  恋人様との関係に、何かご不安が?  プライベートに踏み込むようで大変失礼致しますが、何か、お悩みが御座いましたなら、よろしかったらお聞かせ下さいませ。  お節介で申し訳御座いません。  無責任なアドバイスはしたく無くて。  お返事はご無理でしたなら大丈夫です。  ナビゲーションモードをご参考にして頂いて旅行を楽しまれて、夜のお誘いは、ご負担でしたら、ご無理なさる必要はありません。  ただ、断るなら覚悟はしておくこと。  でも、どうかご心配なさらないで下さい。  トラブルになった場合でも、その後のフォロー次第でいくらでも挽回出来ます。  その際は、是非、当アプリをご活用下さいませ。  体の繋がりがあるだけが恋人の証ではありませんが、今回のご質問で、@あま様が恋人様の夜のお誘いを拒むお気持ちに、恋人様に対する何か特別な感情を感じまして、改めてお話をお伺いしたく思いました。  わたくしはこれからも、@あま様の恋愛を応援致します。  恋人アプリ・カスタマーセンター赤式』

ともだちにシェアしよう!