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第186話 恋人アプリやってみました25p

 天谷は自分で書いた文書をじっと見る。 (これを送ったら、もう後には引けないんだ。赤式さんに……他人に日下部のことを話すんだ。大丈夫……なのかな)  天谷は送信のアイコンを押す前、少し躊躇い、弱弱しい指先の力で送信のアイコンを押した。 (ううっ、送ってしまった! ど、どうしよう。でも、もう後には引けないし!)  天谷がスマートフォンを握りしめて一人あわあわすること数分。  スマートフォンが震えて、天谷は驚いて慌ててスマートフォンを取り落としそうになった。  天谷がスマートフォンの画面を確認すると、メールが来ていた。  メールの相手は恋人アプリ・カスタマーセンターだ。  天谷の心臓がドキドキと鳴りだす。  緊張が天谷を支配する。 (落ち着け、俺! ただメールを読むだけだ!)  じぶんを励まし、天谷はメールを開く。 『@あま様、お返事を頂き有難う御座います。  恋人アプリ・カスタマーセンター担当赤式で御座います。  この度は、お手間とお時間を取らせてしまいまして誠に申し訳御座いません。  こちらこそ、貴重なお時間を割いてお付き合い頂きましたこと、有難う御座いました。  わたくしでよろしければ、どうぞご遠慮なく甘えて下さい。  今までお一人で不安に耐えて頑張って偉かったですね。  もう大丈夫ですよ。  @あま様、今、お時間を頂いても大丈夫でしょうか?  と、申しますのは、短いやり取りで無く、きちんと@あま様のお話をお伺いしたく思いまして。  もしも、今、お忙しいようでしたら、また改めてこちらからご連絡を致しますので@あま様の御都合の良い日にちをご指定頂いて、その時にお話をお伺いしたく思います。  勝手を申しまして失礼致します。  わたくしでお力になれることがあれば、全力を尽くさせて頂きます。  よろしくお願いいたします。  恋人アプリ・カスタマーセンター担当赤式』 (やばい、俺、何か泣きそうだ)  天谷はギュっと目を瞑る。  流れて来そうな涙を堪えて、天谷はメールの返事を打つ。 『赤式様へ  ご連絡頂きまして、ありがとうございました。  なんだかとってもほっとしました。ありがとうございます。  今、時間、大丈夫です。  宜しくお願い致します。                                       @あま』  天谷は送信のアイコンを押す。  待つ暇もなく、赤式からの返信は直ぐに来た。

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