赤式からの返事は直ぐに来た。 『恋人アプリ・カスタマーセンター担当赤式で御座います。 　恋人様へのプレゼント、やる気を出されて何よりで御座います。 　きっと恋人様は喜ばれますよ。 　@あま様、こちらこそ貴重なお時間を割いて頂いて有難う御座いました。 　わたくしとの時間が@あま様にとって有意義なものになっていたのであれば幸いです。 　@あま様、これから素敵な恋愛をなさって下さいませ。 　わたくしが見守っておりますゆえ。 　わたくしに、本当に人の未来が見えるかどうか、のご質問。 　残念なことに、本当で御座います。 　自分の未来は見えませんが、他人様の未来は意識すれば見えてしまうのです。 　こんな能力、疎ましいとすら思ったことも御座いました。 　@あま様と恋人様のこれからのこと、で御座いますが、@あま様は知りたいとお思いですか？ 　恋人アプリ・カスタマーセンター担当赤式』 　天谷は考える。 　日下部との未来を知りたいか、知りたくないか。 　迷いに迷い、天谷は答えを出した。 　そして、赤式へ返事を書く。 『赤式様へ 　質問にお答え下さり有難う御座いました。 　赤式さんの力、信じます。 　びっくりしますが、世の中には色々な能力を持った人がいると思いますので。 　自分と相手とのこれからのことについて、未来について知りたいかと聞かれて悩みました。 　悩んで、それで出した答えなのですが、知りたくないと思いました。 　知るのが怖いです。 　知らない方が幸せでいられると、俺は思いました。 　すみません、赤式さんの能力を否定するようなことを言って。 　でも、俺は、何が待っていても、知らないままで相手といたいです。 　怖いから。 　俺は弱くて。 　すみません。 　　　　　　　　　　　　　　　　@あま』 　天谷は送信のアイコンを押す。 　しばらくして、赤式からの返事が来る。 『恋人アプリ・カスタマーセンター担当赤式で御座います。 　人の未来を見る能力、だなんて、胡散臭いものを信じて頂いて有難う御座います。 　そう言って頂けて、わたくしも安心致しました。 　本当に有難う御座います。 　恋人様との未来を知りたくない。 　@あま様、それで良いのですよ。 　未来何て、行動次第でどうにでも変わるもの。 　未来は枝分かれしている、そんなようなものなんです。 　だから、知らなくとも、強く求めれば、その求める未来へ、人は辿り着くものだと、わたくしは思います。 　@あま様が思い描く、恋人様との未来が幸せであれば、怖いものなんて無いんですよ。 　勿論、どうにもならない未来はあります。 　例えば、死とか。 　それ以外は、未来は自由なんですよ。 　恋人アプリ・カスタマーセンター担当赤式』