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第2話

強烈な茶番劇の日から数日。 俺の付き添いで、得意先へ黒石を連れて回った。やつは、俺には無表情、無愛想なのに得意先では、営業スマイルで渡した資料を全部丸暗記していた。話し方、立ち振る舞いや気使いも申し分ない程だった。 「俺要らないな…申し分ないよ。黒石一人で任せられそういだ」 「そんなことないですよ。貴方がいるから頑張れるんです」 無表情で言われると冗談なのか本気なのか分からんやないかい! 「口が上手いな黒石は・・・」 「・・・チッ」 こいつ…今舌打ちしなかったか?! 「なんか言ったか」 「・・・別に」 おまえは反抗期の中学生か! 「別にって黒石くん?」 「会社…着きましたよリーダー」 落ち着け! 俺…年下のガキにイライラしては大人でない! 「おっおう、ご苦労。このまま帰ってもいいがどうする?」 「やり残した仕事があるので俺も戻ります」 いい後輩なんだよ! だが俺には無愛想・・・ 俺…嫌われてるのか?!

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