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第4話
突然、部屋のドアが開いた。完璧に目覚めてない俺は、またうとうとし始めた。至福の二度を勢い良く布団剥ぎ取られ、驚きの声を上げた。
「起きろ」
「今日は休みなんだから寝かせろよ」
「やっぱりか・・・」
「これは…俺のコレクションなんや」
「ってあんたのその格好」
黒石は、俺の格好を見て肩を震わせて笑っている。黒石がヘアゴムで結んだ俺の前髪を引っ張った。
「きのこ柄にジョッキピンクの服って逆にどこで売ってんの? 普段の篠原康幸と同一人物? ウケるんですけど」
「おまえには関係ないやろ!俺のライフスタイルをとやかくゆうなや!」
「誰もとやかく言ってねぇけど…マジ退いてくんない?」
「あかん!」
「はぁ? 俺ハウスダストダメなんだよね」
「じゃほかいけや!」
「ごちゃごちゃ言ってっと引っこ抜くよ?」
「痛い痛い痛いっ分かった分かったって!」
黒石に束ねた前髪を引っ張られた。俺は、渋々ベッドから出た。マスクをした黒石が片っ端から俺のコレクション(ゴミ)を袋に入れていく。
「こっこれはあかん!」
「いいからあんたは部屋から出てけ!」
「嫌やああああ!」
ううっ…俺のドッキンキノコちゃんまで捨てられた……
部屋から放り出された俺は、目の前の光景に目をパチクリさせた。綺麗に片付いてるリビングにキッチン。そのキッチンからいい匂いかする。
へぇ…俺んちってこんなんやったけか?
俺は、綺麗になったキッチンを眺めいい匂いがする鍋の蓋を開けた。味見をしようとした俺の前髪をまた掴まれる。
「 うぎゃ!もげる!」
「あんたはあの無残なトイレと風呂を掃除しろ!」
「えぇぇぇぇ~~ヤダ」
「……犯すよ」
「それはもっと嫌や!!」
俺は、逃げるように風呂場にいき泣く泣く掃除をしのだった。
……結構、傷付くな。まぁ、徐々に慣れさせればいいか……
「可愛いな…篠原さん」
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