8 / 11

第8話

大型連休に向け社では、前半連休グループと後半連休グループに別れ、急な要件に対応出来るようスタッフが滞在していて、俺は前半連休グループで黒石は後半連休グループだった。 俺は、連休前に大阪支社に主張になり、そのまま実家へ帰る事にした。その間、家を空けるから自由に使えと黒石に言ってきたが…… 黒石のやつ、なんか元気がないとゆーかいつもと違うかったんだよな。 出張と連休を経て、二週間振りに自宅のドアを開けた。黒石はまだ帰宅していない。 黒石…俺のいない間ずっと家に帰ってないのか? 玄関で物音が聞こえた。黒石が俺を見て、複雑な顔をし深く溜め息を吐いた。 「おかえり。黒石…俺がいない間、帰らなかったのか?」 「……あんたがいないのに帰っても仕方ないだろう」 「俺がいなくても使ってくれて良かったのに」 「社宅に空きが出たって部長が…なんで近々ここを出ます」 「……そっか、寂しくなるな」 「なにそれ…あんたとっちゃ俺は都合のいい家政夫だったんだろう」 「なんやねん…帰って早々、なんかあったんか?」 「すみません。頭冷やしてきます」 「おい、待てって。言いたい事があるんやったらはっきり言えよ 」 俺は、 玄関に向かう黒石の腕を掴んだ。逆に黒石が俺の腕を掴み抱き寄せた。黒石が唇を合わせてくる。 「なんで受け入れてんの? 嫌なら抵抗しろよ!」 「え…ああ、どうせ揶揄ってんだろう?」 「好きでもない奴にキスなんてしないし…世話なんて焼かねぇーわ! ちったー気付けよ!」 「またそんな事言ってや、俺の事タイプじゃないって言ったやないか!」 「そうですよ! もろ俺のタイプだったんだよ! 研修で見掛けた時から! そう言ったらあんたは俺と同居なんてしなかっただろう?」 確かにあの時の俺だったら…… 「こんなはずじゃなかった…あんたにキスしたら期待なんかしてさ…バカみて……」 「……嫌やなかった…嫌やないよ」 「何言ってんの? じゃ俺とSEX出来んの?」 「分からへん……」 「来いよ」 「何?」 「いいから来いって!」 黒石は、俺の腕を掴んで黒石の部屋のドアを開けた。黒石は、乱暴にベッドへ押し倒し俺の両腕を拘束した。 「え…なん…や…なに…」 黒石は、俺のシャツを乱暴に脱がした。キスをしながら胸の辺りに手を這わせる。その手がスラックス越しに、内腿から俺の中心部分を撫で上げた。 「んっ……どこ触って」 「抵抗したって無駄…あんた非力そうだもんな。でここに突っ込むの」 「……っ!」 黒石は尻の割れ目を指でなぞり、布越しでも分かる黒石の熱くて硬いモノを押し当てた。 「……分かったから…もう止めて」 「分かったなら気安くそういう事言うなよ!!」 黒石は、俺の腕を乱暴に離しそのまま部屋を出て行った。 黒石の事、分かっているつもりでいた。タイプじゃないと言われ、それをいい事にデリカシーのない俺の世話を焼いてくれたいた。 今思えば、どんなけ想われていたか分かる……俺の中途半端な情で黒石を傷付けた。 阿呆や俺! さっきから黒石に触れられた部分が熱くて、その感触をいつまでも追ってしまう理由を…… ちゃんと考えやな…ちゃんと……

ともだちにシェアしよう!