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13 嫉妬は隠せない
今、尚史くんの唇から…オ、…ン、ナ…ノ…ナ…マ…エ?????
アユカって言った。
「……ふっ…」
わ、笑った……夢、女の子の夢見て、笑ってる……?????
プッツンと何か僕の琴線が切れた気がした。
僕はなんだか分からない楽しい夢を見ている尚史くんの体の上に跨って尚史くんのシャツの胸蔵を掴んだ。
「やだ…っ…僕以外の名前なんて呼ぶな……っ!女だって男だって同じだ……僕以外に微笑むな!……そんなの嫌だっ!!」
僕が先に尚史くんを見つけたんだ!
僕が先に尚史くんを好きになったんだ!
僕が……尚史くんを幸せにするって決めていたんだ!!
「『お前なんか出ていけ』尚史くんの夢なんかに無断で立ち入るなっ!!」
「…ぅう…」
「……ふっ…っ……魔女払いしてやるからな…すんっ…」
「く、るし……っ」
「なおし……きて、よ…僕のとこ……ずびっ…」
「ん…浬委さん…?」
「ばかぁぁ!!女の名前なんて、呼ぶなよ――――!!!ずびっ」
尚史くんの掴んでいたシャツを強く揺さぶってはだけて見える肌に、鼻水や目から変な水が出ていてポタポタと水滴が溜まるほどの、そんな僕の醜態を目が覚めた尚史くんの大きく開いた瞳に映っていた。
「え……オレ、あの……浬委さん泣いて……?」
「……」
目覚めた尚史くんの顔は見るからに清々しくなっていた。理事長室で見せた戸惑いのような顔じゃないのが見てわかる。
「楽しい夢を、見てたんだね。尚史くん」
僕は尚史くんが好きすぎて、ごめんね……嫉妬が隠せないでいます。
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