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17 浬委さんって
誰が来たのかな?
ところで今は何時だろう……時計を見たらば16時を過ぎていた!!
学校の授業は終わってる時間だ。
結局、事務室に行けなかったことになる。どうなんだろう、大丈夫なのかな。
急に現実に戻されたような、あれこれ慌ててしまいそうになるけど……でも浬委さんの事は夢ではなくて夢落ちでもなくて……うん、大丈夫だよオレ。ちゃんと受け止めてる。
取りあえず、オレの荷物を片づけないと思って寝室のドアから顔を出して様子を伺った。
まだ浬委さんは誰かと話してるようだけど、「あ!」浬委さんの友人の人と目が会ってしまった。
オレはぺこんと軽くお辞儀をして寝室に早々に戻った。
一瞬だったけど、浬委さんと雰囲気が似ていたような違うようなそれでも美形には間違いなかった……!
「は~」
なんか緊張してしまう。浬委さんと同じ部屋に居るからなのかな……。
それから少しして、浬委さんは戻ってきた。ちょっと疲れてる??
「尚史くん、遅くなってごめんなさい。僕の友人が来てて…それで夕食の場でちょっと食事会をすることになったんだけど……大丈夫かな?」
「あ、はい。オレは大丈夫です」
浬委さんは付き合いがあるんだろうな。オレは部屋で荷物とか片付けて待っていようと思う。
「浬委さん、オレの荷物ってどこですか?」
「荷物なら明日でも大丈夫じゃないかな?それより~さっきの…っ」
「でも荷物の中に着替えとかあるから、お風呂にもやっぱり入りたいし……」
「そ、そうだね!お風呂!なま着替え!?パ、パンツとかも?」
「はい」
「じゃあ僕も手伝うよ!一緒に片づけよう。終わったらお風呂だね!」
浬委さんは何だか元気になった。
改めて思うけど。本当にこの部屋をオレが使っても良いのだろうか。
L字型のミニキッチンもあって小型の冷蔵庫も完備されている。中央のリビングには高級そうなソファーセットがあって、窓は長方形の6面ガラス張り……外は森林の公園になってる。
学生の寮じゃなくてホテルのスイートルーム見たいな豪華な部屋だ。
オレの家柄では絶対無理な部屋だけど、浬委さんは御曹司だから使用が許されているんだろうな……。
「この部屋は広いでしょう?どちらかと言うと広すぎて一人でいると寂しいんだ。夜だって……だから尚史くんにも使って欲しくて同室を願い出たの。僕だけしか居ないんだから遠慮はしないでね!」
「は、はぁ…」
でも、やっぱり僕には勿体ないような気がします。
「僕と尚史くんのお揃いの部屋着とか揃えたいね~あと、それと~」
浬委さん、オレの荷物を手に取ってめちゃくちゃはしゃいで楽しそうだ。
特にオレの荷物なんて持ってきてるものなんて地味で楽しめる物なんてないのに。
変哲のない下着が珍しいのかな、クンクンしてるような気がするけど思い過ごしだよね……?
「あ、待って下さい、このキャビネットに入ってるの浬委さんのですよね?」
同じ場所はちょっと……!
「うん、問題ないよ。下着はここでシャツはこっち。ちょっと僕のパンツ派手色かな~えへへ」
「いや、着替えは別にした方が浬委さんたくさん持ってるようだし、オレの入れると入らないと思うしっ、あ、こっちの下段を使っていいですか?!」
何だか目がチカチカする!男のビキニってあるのか……浬委さんって……!
「そんなこと言わないの!」と頬を膨らます浬委さんに負けました。可愛いです。
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