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26 嫌な従兄弟
(浬委視点)
僕としたことが。
尚史くんの裸を見てしまったら暴走してしまいそう。
肌を触りたい……!
体を洗う振りをして肌を手で触れていく。
意外に逞しい背中、健康そうな玉肌の艶、背骨の機敏な曲線、掴みやすい腰の形、可愛い尾てい骨を指で優しく堪能する。
夢に見た尚史くんの生の肌パラダイス~!!鼻血が出そうだけど心配ないと僕は自分で言い聞かせる。
だって、今いる場所はバスルーム。お湯で流せば良いでしょう?
尚史くんの可愛い、愛らしいまぁるい赤い実。唇で摘まんだら弾けそうなくらい美味しそうだった。ちょっと我慢できなくてちゅーっと吸っちゃった……味はソープの味だったけど美味しかったよ、尚史くん。
僕のも吸ってほしかったけど我慢した。だって尚史くんが僕が一人で堪能しすぎちゃったせいか、尚史くんの尚史が大変だってわかった。
『こんなに勃ってる……尚史は僕を感じてるね?』
男だってわかってる僕に反応してくれてるんだ。嬉しい。
尚史くん、僕の手でひとりえっちしてたね…ブルって震えてなんて可愛いんだろう……。
そんなこと思いながら意識が遠のいけど、素敵な夢が見られそう。
おいしく尚史くんをお腹いっぱい何度も突いていたのに、邪魔をするんだから。
パッと目を開けたら朱里の顔があって驚いた!!
朱里が部屋に来た理由は、さっき来た櫂矢が仲間を募って夕食会で尚史くんを紹介するって約束させられたんだった。すっかり忘れていた。
今は恥ずかしながらお風呂での尚史くんに惚けてのぼせてしまったので、約束はキャンセルと伝えたのに、朱里は事欠いて僕を怒らせたいみたいだ。
きっと朱里を見ておろおろしてる尚史くん。ここは紹介をするところだけどなんだか朱里に紹介したくないんだ。
僕の大切なお嫁さん だからね!
朱里は卑怯な罠を仕掛ける獣だから。
尚史くんの方から朱里から離れてくれて良かったって思ったんだけど、朱里は僕を抱っこして寝室に連れて行った!!何をしてくれてるんだ!!?
体を動かしても力が出なくて、朱里の思うままに連れられて悔しい。
それも寒イボが出るくらいの甘い台詞に言葉も交わすのが嫌になった。
僕はベッドに寝かされて、朱里が何故かベッドの横に座るので丁度いいとして、朱里のネクタイを引っ張った。
「スペアキーは二度と使うな。尚史くんには極力近づくな。それから僕は尚史くんのダーリンなんだから姫抱っこなんてやめること。プチプリも厳禁ッ」そう呟いて僕は牽制した。
「くッ。俺にはネコ同士でじゃれ合ってるくらいしか見えないがな」
チラッと流し目で寝室のドアを見る朱里は尚史くんが居たのがわかったのだろう。
僕の額にキスを落とした。もし、唇だったら今頃は僕は殺人犯かもしれない。
こいつはそういう奴だから……僕を好きだというけれど朱里にしたらタダの告白ゲームに過ぎない。
自分が目を付けた相手を必ず振り向かせるためだけのゲーム。
僕が朱里になびくわけがない。
僕は尚史くん一途だし、他にはまったく考えられない。
過去に何回か告白されたことがあったけど、朱里の耳に入ると僕の陰でそのあと陰湿な虐めで相手は遠ざけられる。時には相手に色仕掛けで――マジでしょうもない奴。
だから尚更、朱里には尚史くんを近づかせたくない。
婚約者だって猛アピールしてるけど、効き目があるのかないのか……。
心配になって来た……風紀委員長の槇尾せんぱいに今度相談してみよう。
カタンっと音がして、
『り、りりり、浬委さんから離れろーーーーっ!!!』
尚史くんが僕を助けてくる、それも涙をぽろぽろと落としながら。
泣かせるなんて、従兄弟 でも僕は許せないことは許せないんだから……!
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