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第十一話 胡蝶蘭の巻
「か……っは、は……あ"」
もうそろそろ限界か。俺は客の首から手を離した。一気に酸素を肺に入れた男はゲホッ、ゴホッ、と盛大に咳き込む。俺は黙って男を見下した。
「ゲホッ、もっと……胡蝶蘭様、もっとしてください。この私めの首を絞めてくださいませ」
「馬鹿が、俺様を人殺しにする気か? されてえんならとっとと呼吸整えて立て直せよ貧弱者が」
立ち上がって固くなった男の逸物を軽く足で踏みつけるように扱く。
「あ、あッ、イイですッ……んあ、もっと強く、いっそこのまま踏み潰してください」
「俺様を従わせようなんて随分と偉くなったなあ?」
「ごめんなさい、卑しい下僕の分際で胡蝶蘭様に指図してごめんなさい……あッ、はぁ、イク……ああッ」
男は謝罪の言葉を口にしながら達した。俺は男の白濁に汚れた足の裏を男の方に向ける。察した男は自分の精液に塗れた俺の足を丁寧に舐めはじめた。
「足はもう良い。こっちを舐めろ」
下半身をくつろがせ、男の顔を俺の逸物に近づける。男は更に興奮したように息を荒くした。
「はい。胡蝶蘭様の、御奉仕させて頂きます」
男が先端を咥えたのを確認して頭を掴み、喉奥に突っ込んだ。男の口から「ウグゥ」という情けない悲鳴が聞こえる。だが拒絶の反応は見せない。俺はそのまま喉奥にぐりぐりと押し付け、荒々しく口内を犯してそのまま射精した。
「吐くなよ。飲めるだろ?」
男は無言でこくこくと頷き、手で口を抑えながら飲み込む。
「あ、ありがとうごさいました……」
終わってから、男は金の入った袋を俺に渡す。中身が言い値に足りている事を確認してから部屋で男を見送った。
二人目の指名を受けたのは割と早い段階だ。初指名の客らしい。規則どおり、俺は障子越しに声を掛ける。
「失礼致します、菊間様。胡蝶蘭参りました」
「入りなさい」
「ご指名ありがとうございます。胡蝶蘭と申します」
「ああ、よろしく」
菊間様はにこりともせずにそう言った。緊張しているのかは分からないが、愛想が悪い。何より、『そちらを好む』ような人には見えなかった。
「宜しければお茶をどうぞ」
「ああ」
客に渡すお茶を少量自分の口に含み、そのまま菊間様に口付けて流し込んだ。
「んく……んっ、ゴクッ、何を……」
「この胡蝶蘭を前にそんな素っ気無い態度は酷いんじゃないですか?」
「そんなん、俺の勝手だろうが」
「では、教育しなくてはなりませんね」
俺は麻縄を取り出し、菊間様の両手首を縛り上げて抱いた。
――翌日――
俺は起きて一番に麻縄を手に取った。試しに左手と柱を一緒に縛りつけてみる。痛みは無い。動かそうと思えば多少は動く。縛っていない右手で余った部分の縄を引っ張れば、左手はきゅっときつく締め付けられ、一瞬ぞくりとした。悪くない。否、かなり「イイ」筈だ。もっと試したいが、片手だけでは限界がある。この時間なら誰か食堂に居るだろうと思って食堂に向かった。食堂に着いてから、既に居る花魁、禿、下働きの者らと挨拶を交わしながら、俺は誰に事を頼むかを考える。
「お食事をお持ちしましたがどこにお掛けになりますか?」
「食事……?」
「ご飯食べる以外で何しに来たんですか」
下働きの厨担当の者に聞かれて首を傾げた俺を見て歳一つ下の椿が笑う。そこでやっと俺は朝餉を食べていない事を思い出した。適当な席に座って厨担当から膳を受け取り、礼を言う。
「何かまた新しい事でもやろうとしているんですか?」
空になった膳を片付けて湯呑みだけ持って椿が正面に腰掛けた。途中までするならネコ担当が良いが、縛るだけなら同じタチでも充分じゃないかと俺は椿を見つめながら考える。試しに縛られてくれないかと聞いたら、少し考えて渋々といった様子で了承してくれた。
「じゃあそこに仰向けになってくれ。……そう、んでそのまんま手え出して。縛るぞ」
自室に戻ってから布団に椿を寝かせ、差し出された椿の両手首を昨日の客――菊間様にしたのと同じように縛り付けた。
「痛いか?」
「いいえ、全く。ちょっときついくらいです」
「どんぐらい動かせる?」
「んー、少し角度を変えられるくらいですかね。何か思うように身動き取れないので苛立ちます」
「なるほどね」
俺は椿の両手首を拘束していた麻縄を解いた。同じように苛立って快楽が得られなかった、という事か。
「何でこんな事したんですか?」
「昨日の客、初指名だったんだけど全く手応えが無かった。全然まぐわいに集中していなかったというか、俺に溺れる気配が無かった」
「そりゃあ初めてでこんな事されたら気持ちいいどころじゃないのでは?」
「でも俺はそういう嗜好だって事は案内役からも俺からも事前に伝えたんだぞ。被虐嗜好者じゃなきゃあ、指名を取り止めて他の奴のところに行っている筈だ」
ここまで来ておいて今更断りづらかった、というわけでもないだろう。第一印象から誠実さと遠慮の欠片も見えなかった客だ。俺が嫌なら真っ只中だろうが交代を要請されていただろう。だが菊間様は俺に抱かれ続けていた。
「俺はそういうのやらないんで分かりませんが、久弥さんに聞いてみたらいいんじゃないですか? あの人も確かそういうのやっていましたよね」
「そうだけどさあ」
「聞くの嫌なんですか?」
椿が起き上がって聞いてきた。俺が乗り気じゃないのを察したらしい。確かに大抵の疑問は久弥さんに聞けば解決するし、仕事に関する事なら誰よりも頼りになる相談相手だ。
「どうしてですか? あの人そっちも完璧じゃないですか。それでうちで悪さした人が何人『紫陽花様』の虜になった事か」
「確かに柊さんとか椿に暴力を振るおうとした奴らにするのは良い。華乱の決まり事だからな。でも菖蒲とか普通の客にやる事じゃないだろ」
「どういう意味ですか?」
椿には分からないのか。久弥さんのやり方はまるで強姦だった。いくら菖蒲が腹を括らないからといって、無理矢理快楽を教えこむ必要は無かった筈だ。
「久弥さんのやり方は飴と鞭だ。褒めながら傷をつけて、嫌がるのを無視して快楽を植え付けて、どん底を極楽だと洗脳するやり方だ。『痛み』が先にきて、それを『気持ちいい』に錯覚させている」
「そういうものだと思いますけど」
「違うよ。間違いじゃないが花魁として正しくはない。先に『気持ちいい』を与えるべきだ。最初から相手を興奮させなきゃいけない。絶望は一瞬たりとも与えたらいけない。与えていいのは期待と快感。その次に相手の好みの痛みや苦しみだ。『俺の好み』はその後に教える」
うーん、と椿は唸った。俺は言葉での説明が苦手なんだ。多分理解できていないだろう。
「これは俺の美学で俺個人の考え方だ。あんまりお前が悩む事じゃないさ」
「でもちょっとだけ分かったかもしれません。無理矢理酷く抱かれて嫌だけどいつの間にか気持ち良くなってくるんじゃなくて、激しく抱かれたいって望まれたらそれを叶えたいって事でしょうか?」
椿は俺の方を見ずにそう言った。誰か特定の相手を思い浮かべているのだろうか? その横顔は先程までとは違い、憂いに満ちている。
「賢いな。よく分かっているじゃないか」
俺は椿の頭を撫でた。褒められたからか、憂い顔から一変、椿の頬が緩んだ。
その日の夜。今日の初客の名前を聞いて驚いた。反応が良くなかったからあれっきりだと思っていた菊間様から再び指名が入ったのだ。
「菊間様、何故俺を選んでくださったのですか?」
「お前を気に入ったからに決まっているだろうが」
どうもそうは見えないが、もしかしたら俺が分かろうとしないだけでこの人なりの照れ隠しなのかもしれない。しかし、いざ抱いてもやはり菊間様は本心から悦んではくれなかった。
それから十日間、菊間様は華乱に通い続けて俺を指名した。馴染みが増えて嬉しい反面、菊間様の態度にはどうしても納得がいかない。
十一日目になるであろう日の夜、俺は夕顔に誘われて客間に向かった。
「今柊さんのところにお客様が訪ねて来たんです。いい話を聞けそうですよ」
「誰? 俺に関係ある人なのか?」
「あります! 胡蝶蘭さんがよく知っている人ですよ」
客間の戸の前で夕顔は「しーっ」と言って戸に耳を当てた。そこまでしなくても十分声は聞こえるが、盗聴するのに必要な仕草らしい。俺も真似をして聞き耳を立てた。
「――ええ、ですから規則どおり十回、それも十日間毎日通いました」
客の声は菊間様のものだった。『規則』『十日』その単語を聞いて俺の胸が高鳴る。
「金なら山のようにある。だからどうか胡蝶蘭を俺の家に迎えさせてくれ」
菊間様の言葉を聞いて、俺と夕顔は顔を見合わせた。声が出ないよう、咄嗟に口を塞ぐ。夕顔も同じように手で口を覆ったが、その瞳は興奮に満ち溢れていた。
「うちの胡蝶蘭を身請けしたい、という事ですね」
柊さんの落ち着いた声が聞こえた。心臓の音が煩い。柊さん達に聞こえそうだ。口を塞いた方と反対の手で心臓の辺りのを抑えたが、手に鼓動が伝わるだけでむしろ逆効果に感じた。まさか自分に身請け話が来るとは思わなかった。華乱では途中で身請けされる花魁はそう多くないから、十年間此処で花魁を務めるものだと思っていたのだ。
「条件は揃った。俺にあいつをくれるんだろ?」
今まで聞いた事もないような菊間様の声が廊下まで響く。多分柊さんは了承して今晩か明日か、俺の気持ちを聞きに来るだろう。だが、柊さんは冷静な声で想定外の答えを出した。
「すまないが、貴方に胡蝶蘭は譲れません」
その返答に俺と夕顔は驚き、再び互いの顔を見合った。今度こそ声が出そうだった。
他所の見世は知らないが、華乱では身請けしたい花魁を最低でも十回買い、身請けできるだけの金を持って楼主である柊さんに直談判し、柊さんと該当の花魁双方の合意を得て初めて身請けする権利を得る。そして柊さんが提示した金額をきっちり耳揃え、必要書類を記入してやっと身請けされる。ごく稀に、桜さんの時のように元華乱の花魁が現役の花魁を一度も買わずに身請けするという例外があるが、客と花魁の場合は正規の方法しかない。つまり柊さんが断った以上、俺が菊間様に身請けされる事は無い。
「何で! どうして駄目なの?」
「あっ、おいこら」
夕顔が勝手に戸を開けて客間に乱入する。止めようとした俺は運悪く柊さんと目が合った。やばい、怒られるやつだ。俺は額に冷や汗が流れた。
「胡蝶蘭? 胡蝶蘭じゃねえか。今の話を聞いてくれたか?」
「ええ。盗み聞きしてすみません」
俺は菊間様と柊さんに頭を下げた。だが、菊間様は気を悪くした様子は無く……否、柊さんの返答から不機嫌だったようだが、俺を咎める様子は見られなかった。代わりに柊さんからの冷たい視線が痛い。
「で、何で身請けさせてあげないの?」
柊さんに睨まれてもけろっとしたままの夕顔が改めて問うた。だが、柊さんは無言で戸を指差す。
「何?」
「夕顔だね? 君には無関係だから仕事に戻りなさい」
「えーっ、やだ」
「仕置き部屋で朝まで正座とこれから客を二人以上取るのとどっちがいい?」
柊さんにそう聞かれ、夕顔はしぶしぶ客間を出ていった。流石に真っ暗な仕置き部屋に一晩いるのは嫌だったらしい。
「胡蝶蘭、君も今日は仕事に戻りなさい」
「でも、俺は無関係じゃないですよね?」
「僕が譲らないと言ったんだ。もう今日のところは居なくてよろしい。戻りなさい」
怒っているのは怒っているんだろうけれど、いつもと雰囲気が違った。わざと俺を遠ざけているように見える。
「おい、何でだよ? 俺はこいつを愛しているんだ。気に入っているんだ。何で売ってくれねえんだ」
苛ついたように菊間様が柊さんに詰め寄る。今はまだ平静を保っているが返答次第では殴りかかってきそうな雰囲気だ。
「一つ目、貴方が胡蝶蘭を幸せにできるとは思えない。二つ目、貴方の態度が気に入らない。そして三つ目、貴方が情欲、それも加虐的な欲を持って胡蝶蘭を見ている。理由は以上です」
「な……っ」
菊間様は顔を真っ赤にして唇を震わせた。いくら何でも正直過ぎる。物怖じしないと言えば聞こえは良いが機嫌の悪い客を更に怒らせるのは不味いだろう。小火(ボヤ)を大火事にしたようなものだ。そもそも「お客様には丁寧に、誠実なおもてなしを」と言っているのは柊さんなのに、当の本人が俺の前でこれで良いのか?
「花魁の幸せ? はっ、お前にとって花魁なんて所詮金儲けの道具だろうが! わかったよ、言い値に上乗せしてやる。だから寄越せ。胡蝶蘭をヤらせろ! 遊郭は決まり事が多いからなあ、身請けしちまえばこいつは俺の自由だろう?」
菊間様が早口でまくし立てたのを聞いて、俺は漸く菊間様が俺に抱かれてもあまり良さそうじゃ無かった事や、それなのに俺を指名し続けていた理由に合点がいった。本来なら俺がするような事を、俺にしたかったのだ。それもきっと俺が嫌うようなやり方だろう。俺は両手で自分を守るように抱きしめる。もしも身請けされていたと考えたら背筋がぞっとした。
「やはり貴方には譲りたくない。金は要らないのでこのままお引き取りください」
「誰に向かって口聞いてんのか分かってんのか?」
「この遊郭、華乱では客であろうと楼主である私が定めた規則に従っていただきます」
相変わらず毅然とした態度と声で柊さんはそう言う。俺は柊さんを守る為にここに居ようか迷ったが、客間を出て護衛を呼んだ。
木刀を携えた強面の男が二人入ってきて、菊間様は怯んだらしい。チッと舌打ちをして柊さんを睨み、風呂敷に金を包みなおして客間を出ていった。
「何事も無く見世を出ていかれました」
五分後、護衛の男の報告を聞いて柊さんは大きくため息を吐いて足から一気に力が抜けたように座り込んだ。
「大丈夫……ですか?」
「ああ、ありがとう。僕は少し休むから先に戻っていてくれ」
「休むならお部屋に戻られてからの方が良いでしょう」
俺が手を差し伸べたが、柊さんは立ち上がろうとしない。遠慮がちに少し困ったように「大丈夫だよ」と返された。
「失礼しますね」
俺は恐らく立てなくなったのだろう柊さんを姫抱きにする。余計なお世話かもしれないが、このまま一人にする気にはなれなかった。柊さんは慣れていないからか居心地が悪そうだが、嫌がる素振りは見せない。
「一つ訊ねても良いでしょうか?」
「何だい?」
柊さんはそれまで伏せていた顔を上げた。
「何故菊間様に俺を身請けさせなかったんですか?」
「言った通りだ。あの男のものになったら君が酷い目に合うと思ったからだよ」
「どうしてそう思ったんですか?」
更に聞けば、何か嫌なものでも見たように柊さんの顔が歪んだ。
「ああいう男をよく知っているからね。傷つけようとする奴と欲に塗れた奴は見れば分かる。ぞっとする程に気持ち悪い目をしていたよ」
「気持ち悪い目、ですか」
「うん。上手く隠しているようでも僕には分かる。あんな視線は嫌でも忘れられないから」
俺は柊さんを姫抱きしたままぎゅ……と少しきつく抱きしめる。これでちょっとは安心してくれたようだ。強張っていた柊さんの体から力が抜けた。そして再び顔を上げて俺を見てくれるようになったところで、休憩中らしい椿に会った。
「なっ、に、しているんですか?」
椿はあからさまに動揺している。俺が人を抱いて歩くのがそんなに滑稽かと思ったが、その感情はどちらかというと怒りに近いようだ。
「色々あって柊さんがお疲れなようだから運んでいるだけだ」
「もう大丈夫だから降ろしてくれるかい?」
柊さんはバツが悪そうにもぞもぞと動く。俺とも椿とも顔を合わせたくないのだろう。必死に藻掻いていたが、降ろされないと分かると再び大人しくなった。椿からは羨望と怒りの視線を感じる。もしやと思い、俺は椿に柊さんを差し出してみた。
「俺まだ一人しか客取ってないから戻ろうと思うんだけど、もし今しんどくなけりゃ代わってくれないか? 柊さんを部屋までお運びして休ませたいんだ」
「いや、自分で戻れるからもう充分なんだけど」
「はい、はい! 代わります!」
先程とは打って変わって、椿は目を輝かせた。そして柊さんを渡せば、愛おしいものを見る目をして大事そうに優しく抱きしめる。俺は思わぬ形で椿の想い人を知ってしまった。
「ありがとう椿。なるべく一人にしないで柊さんの側に居てほしい」
「分かりました」
椿が去るのを見送って、俺はそのまま見世に戻った。
「胡蝶蘭さま、ご指名です」
俺を指名したのはまたもや初指名の客だった。今度こそまともな客であれと障子戸を開けて対面したら、部屋にいたのは若い男である。部屋の角にちょこんと座って緊張気味に俺を見つめた。
「ご指名ありがとうございます。胡蝶蘭と申します」
「あっ、あの、ご丁寧にありがとうございます。桜井満(みつる)と申します」
桜井と名乗った客はおどおどと頭を下げた。俺は距離を詰めて桜井様の手に触れる。桜井様の肩はびくりと跳ね上がり、一気に顔を赤らめた。
「案内役からも説明はあったと思いますが、俺はお客を虐める花魁ですよ?」
「は、はい! 存じ上げております」
「それでも良いと?」
桜井様の白くて若々しい手を持ち上げ、指を舐める。「ひゃぁあ」と情けない声が聞こえた。
「はい、どうしても胡蝶蘭さんに抱かれたくて。その、初めて……なんですけれど」
「胡蝶蘭『様』だ」
「胡蝶蘭、様?」
「良くできました」
この初な客はたっぷりと焦らして辱めるのが良いだろう。先ずはとことん羞恥を煽って、気をやらせずに優しく触り続ける。今日一日で自らお強請りができれば上等だ。
「俺が欲しいならその着物を脱いでみな」
さて、この小動物のような男はどれだけ俺に依存するだろうか?
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