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王道な異世界での生活-2

やっぱりよくわからない肉と蛍光と呼べるかもしれないピンク色をした葉をやっぱり蛍光色である緑色をしたパンで挟んだ…認めたくないけれど美味いサンドウィッチを食べながら転校生はこの世界に何があって何がないのかを聞いていた。 それはすべてスポーツに関するものではあったが、ただ腹筋をしていたわけではなかったのだなと少し感心したところで「まぁ、ここに飽きただけだけどな!」と笑ったので台無しだった。 しかし、驚いた事にこの世界では物を用いて行うスポーツがなかった。 転校生凄いな。なんて単純に思ったけど、だったら俺は何をすればいいのか、さっぱり思いつかなかった。 「よし、サッカーをやろう。」 口いっぱいに突っ込んで食べていたサンドウィッチを食べ終わると転校生は「子供集合!」なんて叫びながら部屋から出て行った。 俺ものんびり食事をしている場合ではないのかもしれない。ペースを上げるように頬張ると王様は「慌てなくても良い、ゆっくり食べなさい。」と食後のお茶をゆっくり飲み始めた。 転校生がいないだけで、とても静かに感じる。 会長ともこんなゆっくりした時間を過ごしていたなぁ。なんて思うとまだそんなに経っていないのに寂しく思えてきた。 「帰りたいなぁ…。」 思わず出た声に驚き、王様を見れば少し寂しそうな顔をして無理をした笑顔を見せた。 こんなに良くしてもらっているのに、帰りたいなんて聞いたら嫌な気持ちになるに決まっている…。 「ごめんなさい。」 謝れば「いや、いいのだ…こっちこそ、申し訳ない。」と逆に謝られてしまった。 「こちらに呼ぶ人は誰が選んでいるのですか?」 転校生がいない静かなうちに色々聞いておこうと思い、昨日からの疑問を聞くことにした。 「決まっていない。ただ、この国に今必要なものを知っている者が呼ばれる。と過去の王は残している。」 なるほど。と頷いた。ならば、転校生が呼ばれサッカーをやろうと飛び出していったのもきっと今この国に必要な事なのだろう。 「先ほど聞いた図書館という施設も、私達は思いもつかなかった。本があるのに、それだけで満足してしまう。より、便利になんて考えもしない…この世界はそういうところなのだ。」 なので、気になった事は些細な事でも教えて欲しい。王様はそう続け、失礼する。と部屋を後にした。 残された俺は、何をしようなんて考えるまでもなくさっきの部屋へと戻り記録を読み続けた。それは、暗くなり転校生が「ご飯だぞー!」と呼びに来るまで集中が途切れる事はなかった。

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