31 / 112
第31話
強請れば密着した体がぐっと強張ったのがわかった。
再び激しく唇を貪られてる間に、下着ごと借りたズボンを脱がされる。
先走りに濡れた湊自身が飛び出し、空気に触れてふるりと震えた。
「あ、……っ」
恥ずかしくて反射的に閉じようとした足の間に強引に割り込まれて、どうしていいかわからなくなった膝はゆるく竜次郎の腰を挟んだ。
「……今は、痛くねえのか?」
縫合後はテープを貼られただけで、包帯を巻いたりはしていない。そっと傷の近くを撫でられて、ひりつくような感覚に吐息がこぼれた。
「大、丈夫……だから……」
「…お前は頑固だな」
諦めたように笑った竜次郎がくつろげた前から姿を見せたものは、既に天を衝くほどに昂ぶっていて、自分だけが欲しがっていたのではないことにほっとする。
「竜次郎の、おっきい……」
「そりゃどうも。…ちょっとお前ここ持ってろ」
「あっ……」
勃ち上がったものどうしを擦り合わせたところに両手を導かれて、快感と熱さに息を呑んだ。
「や、りゅうじろ、これ……っ」
「ちゃんと掴んどけよ」
命じられて素直に掴み直す。
軽くゆすられると、先走りで滑るそこから濡れた卑猥な音がして握る手に力がこもった。
手からも感じさせられているようで、ぞくぞくとして生理的な涙がにじむ。
最初はゆっくりと、すぐに我慢が出来なくなったように激しく。
ぐりっと湊のものを押しつぶされるように擦られれば、声を上げてのけぞった。
「っあ!りゅうじろ…っ、こす、れて…っ、き、きもちい…っ」
「もうちょい強く握っていいぜ。っそうだ、まだイくなよ」
「う…っじゃあ、もう少し、ゆっくり…っひぁ」
頼んだのに更に強くされて、声が止まらなくなる。
「あ!や、あぁっ…あ!りゅうじろ、だめ、もう出…っ」
「っ……出していいぜ、俺も」
竜次郎が片手を重ねて湊の手ごと激しく擦りたてればもう我慢できず泣き声をあげながら腰を震わせ、一瞬遅れて竜次郎も白濁を放つ。二人分の精液が混ざり合い、湊の腹の上を白く汚した。
「ひ、ゃ…っ熱、い…」
肌で感じる火傷しそうなほどの熱さは、体の奥に放たれる充足感とはまた違い、静まりかけた体に再び火を放たれるようだ。
整わない息もそのままに放出の余韻に浸っていると、傷の無事を確認した指先にそっとテープの端をなぞられ体を揺らした。
「…悪い。痛かったか」
「ううん……、なんかびりってしただけ……」
「ならいいが……」
後始末をしてもらいながら湊は眉を下げた。
「竜次郎、続き、しないの……?」
「元気ならメシ食って寝ろ。続きはもう少しよくなってからな」
「……ん……」
残念な気持ちはあるが、続きの約束がもらえた事は嬉しい。
「次は俺ももっと頑張るね」
「……お前は俺を煽らないことを頑張れ」
「俺、何か竜次郎を煽るようなことしてたの?どうすればいい?」
首を傾げれば「お前はいいからマグロになってろ」といつかと同じことを言われて、懐かしさを感じながら「努力するね」と笑った。
ともだちにシェアしよう!