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4話
それから毎日、慶は永里家にやってきて、風呂上がりの郁磨にボディクリームを塗り、添い寝する。
彼に頼ってばかりじゃダメだとわかっているが、弱っているときに優しくされると、落ちてしまいそうで怖い。まだ失恋したばかりなのに、恋愛していいのだろうか。
それに、彼は孝涼の弟だ。好きだった人と似ているからとか手短に落とせそうだったのが、彼だったからとか思われたくない。
うだうだ考えながら、ベッドに横たわっていると、慶はいつも塗っているボディクリームを引き出しから取り出し、郁磨の青白い艶のない肌に念入りにマッサージしながら塗り込んでいく。爽やかな花の香りが気に入っている。
肌の艶やハリだけではなく、心までもほぐし、癒しているみたいだ。
「余計なところまで触るなよ」
「余計なところって」
すでに足の付け根やわき腹を撫でられ、ビクビクと体を震わせる。
「なあ2つ聞いていいか?」
「何個でもいいぜ」
「もし孝涼と付き合っていたら、どうしていたんだ?」
もし、選ばれなかったのが慶だったらどうしていたのか、純粋に気になっていたのだ。
「応援する。チャンスがあったら、それをモノにする」
「前向きだな」
「ありがとう。片想いが長いせいだな。いつかは郁磨を俺のものにするって思ってたからさ、郁磨には悪いけどチャンスだと思ってる」
「もう1つ。孝涼の弟だから、僕が選んだとしたらどうする?」
「最初は見た目が似ているとかそう言う理由でいい。段々と俺を知って、俺自身を好きになってくれればそれでいい」
「それでいいのか?」
「アニキの弟なら似ているし、郁磨と付き合えればそれでいい。気持ちは後からでいいんだ」
「なるほどね。ありがとう」
「なあ、少し触っていい?」
「ヤダって言ってもやるくせに」
慶が教えてくれた体内にある前立腺を押されると、声が押し出され、ズンとした重い快感が生じるのだ。
「ナカは触るなよ」
「気持ちいいのに」
「母さんがいるだろ?」
「永里さんも知ってるぜ、多分。それに、押されたくないって聞くと、押したくなるんだよな」
なんだこのコントみたいなやり取りは。郁磨の口角が上がった。
その隙に、太い指先が潤滑剤をまとい、後孔の表面を撫で、押し入ってきた。
「やっと笑ったな。可愛いぜ」
「そこはカッコイイじゃないのか?」
「カッコよくない。つーか、エロ魔人。っあっ、あああっ!」
慌てて手で口をふさぐ。にらみつけると、さもおかし気に笑った。
「最近、体力がついてきたから、ストレス発散にいいかなと思って、アニキに訊いたんだ」
「聞くなよ、こんなこと」
すっかり感じるようになってしまった乳首や中をいじられると、快楽がジワリとにじみ出てくる。
彼も限界そうなのに、たっぷり内部をいじられた後、彼のモノを脚の間に挟まれた。
慶が気持ちよさそうな顔をしていると、確かに自分の身体で快楽を得ているのがわかり、胸の奥がキュッとする。
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