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第8話
「待てって……、そんな急に……ぁ」
柔らかな肌に牙を立てると、あずま君の唇から吐息が漏れた。それでも構わずさらに深く牙を突き立てると彼の生気が一気に僕に流れ込んできた。
牙が開けた穴から溢れる血液を僕は舌を這わせてむしゃぶりつく。まるで飢えた犬みたいで滑稽だけど、半年ぶりの本当の食事なのだから仕方がない。
「ぁ……や……ッ、んんッ」
吸血鬼は確かに血を吸う。だけど、本当に欲しているのは、その血液に混じる人間の活力だ。
それを吸い上げる時、人間は射精をした時のような性的快感を覚えるらしい。
その証拠に血を吸うたびにあずま君は悩ましげな声を出して、僕にしがみいた。
「り……あむ……、どう……しよ、俺……変だ……」
腰を抜かしてしまったのか、崩れ落ちそうなあずま君の体を両腕で支える。そしてソファまで運んで腰を下ろさせた。
彼はソファに体を預けて胸を上下させている。まだ少し血が滲む歯型に舌を這わせると、彼はくすぐったそうに肩を震わせた。
「ぁ……も、舐めるなって……」
「どうして? 一滴残らず僕のモノだよ」
「……ぁ」
耐えるように僕にしがみつく姿が可愛らしい。
彼は気づいていないけれど、生気を手に入れた僕は、この一瞬で、あずま君と同じぐらいまで背が伸びた。彼をソファまで運べたのもそのおかげだ。すっかり小さくなってしまったシャツを脱ぎ捨てると、ひやりとした空気が僕の体を撫でる。その体は滑らかな岩のような筋肉に覆われ、一切の無駄がない。
血が出なくなるまで何度も舌を這わせた首筋は唾液でベトベトになっていた。ジーンズの上から彼の下肢を撫でると硬い布ごしでも膨らんでいるのがわかった。
「硬くなってる……」
「んぅ……」
窮屈そうなボトムのベルトとジッパーを下ろすと、あずま君はほっとしたようなため息を吐いた。下着が彼自身をくっきりと浮かび上がらせている。湿って色が変わった先端を指で撫でると、鼻にかかったような甘い声が聞こえてきた。そこを丹念に撫でながら甘く彼を誘う。
「ねぇ、あずま君。もうちょっと生気貰ってもいい? ……別の方法で」
「べ、別の方法って……まさか……」
ぎょっとした顔をしたが、彼は我に返るとすでに真っ赤な顔を横に振った。
「い、いや、ダメだ。変なこと考えてしまうし……」
「変なコトって?」
聞きながら僕は彼の下着をずらして、中から熱くなった彼自身に触れた。芯を持ったそれはすでに天を向いていた。僕は軽く唇を舐めるとその先端にキスをすると、ピクンと小さく跳ねた。
あまり血液から生気を吸ってしまうと、彼の寿命を削ってしまう。だから体液に混じる生気をいただくのだ。体液っていうか、精液だね☆
僕が茂みの奥の根元から指を絡ませ、焦らすように舌を這わせると上から呆れたような声が降ってくる。
「こういうコトだよっ!」
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