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第10話
「……先輩、ゃめ……」
「いいだろ」
逃げようとすれば、その場に捩じ伏せられ、両手をついて四つん這いにさせられる。
尾てい骨から尻の割れ目を先輩の指がなぞり、見つけた襞を執拗に刺激する。
ザーッ
浴槽に突っ込まれたシャワーヘッド。
そこから聞こえる、激しい流水音。
狂ってる。
……いや、多分……最初から。
何かが先輩をレイプ魔に変えた。
心に巣くっていた小さな闇が、人を傷つけ殺人の主犯格にまでに成長してしまった。
……そして今、先輩の精神はぷつりと切れ、また別の何かに変貌しつつある。
ソコに、指よりも太い先輩の凶器が宛がわれた。
「……あ″ぁああぁぁあ″──っ!」
ガクガクと震える身体。ぎゅっと握り締める両手。
それは多分、僕も……だ。
不安になれば、柚希が死んだ布団で先輩とまぐわった。
拒否なんてしない。
寧ろ自ら進んで足を開いた。
僕のせいで………柚希が死んだ。
その柚希を、埋めた。
一時的でもいい。
罪悪感から、逃れたかった。
先輩には僕が
僕には先輩が……
狂った世界だけれど、お互い必要だった──
「……柚希ぃ………はぁ、はぁ……凄ぇ、締まって……気持ちいい、ぜ……」
先輩の反り上がったモノが、僕のナカに捩じ込まれ、奥までガンガン突いてくる。
「せん、ぱ……ぃい……、ぅあ、ぁぁあっ!」
腸壁が激しく擦られる度に、内側から湧き上がるゾクゾクとした快感。
脳内が、白一色に染まって──溶ける。
夏場の蒸し暑い部屋。
混ざり合う、先輩と僕の汗。
肌と肌のぶつかる音。
粘膜が交じる、淫靡な水音。
ゆさゆさと揺さぶられながら瞼を柔く持ち上げれば、恍惚とした顔が僕を覗き込んでいた。
「柚希、舌、出せ」
言われた通り、唇を割って舌をチロリと出す。
平たい胸を揉みしだかれ、次いで乳首を摘まんでこねくり回され。
顔が近付き、差し出した舌に舌先が絡み付き、咥内を掻き乱される。
「……ふ、ぅ…」
「はぁ……はぁ……」
ねっとりとした粘膜。
先輩のと絡んで、濡れて。
……気持ち、いい……
「……は、ぁあっ、……だめ、イく……」
「イけよ、柚希」
余裕を見せながらも、イきそうになるのを堪える表情を一瞬だけ浮かべてみせる。
その顔が溜まらなく色っぽくて……
我慢出来なくて……
「……ふーん。じゃあ満更でもなかったんだ」
山下が冷めた目で見下ろす。
「で、何回くらい掘られたの?」
「……解んない。暇さえあれば、してたから……」
「じゃあ、これはプレイって事か」
言い方も冷たい。
軽蔑、してるんだな……
「……違う」
ただ抱き合うだけで、留まっていられたら……良かった。
だけど、先輩の精神は……日に日に悪化し……
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