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第6話
「ここが総監のお宅、すか」
親父に報告しないわけにもいかず、セルジュとのことを話すと早速家に連れてこいと言われ、10年ぶりぐらいに実家へと向かった。
家を出てから1度も戻ったことはなかった。
「ここは無駄にでけえよな」
広大な庭がある邸宅を見上げて、目を白黒させるセルジュを伴って、門に手を翳すとまだ俺のDNAは登録されているようで勝手に開く。
「反対されんだろうな……」
ボソリとつぶやくセルジュは、何か勘違いしているようで緊張でガチガチになっている。
「反対するわけねえだろ。されてもつがってんだしよ。無駄だろ」
10年経っていても庭の雰囲気とかは変わらない。手入れも庭師が同じようにやってんだろうな。
相変わらずの様子に俺も安心して、玄関のドアの前でインターフォンを押す。
「ただいま、帰りました。統久です」
声をあげると執事の懐かしい顔が現れて、ら玄関のドアを開く。
「お久しいです。お帰りなさい、統久様。旦那様がお待ちでございますよ」
ちらとセルジュを見遣ると痛々しいくらい緊張で顔が強ばっている。
まあこの家にダチを呼ぶと、みんなそんなもんだったよな。
俺は執事に連れられて、親父が待つ居間へと向かう。
「入るよ、親父」
執事が部屋の扉を開くので中へと入り、ソファーで寛ぐ親父と母親に頭を軽く下げる。
「たまには顔を出せ、統久。母さんは寂しがっていたぞ」
「お見合いとかで顔を合わせていたし、わざわざ家に戻らなくてもいいのじゃないかな」
「わたしは手料理を食べさせたりしたかったわ」
俺の言葉に母は、ちょっと唇を尖らせてみせる。
「で、親父に紹介するよ。このセルジュが俺の伴侶」
背中を軽く押してカチコチしているセルジュを紹介する。
「セルジューク・桑嶋です。この度は急なことになりまして。身分違いだとは思っているのですが、きっと努力して出世するんで。息子さんを、幸せにしたいと思ってます」
「……桑嶋君」
親父はソファーから立ち上がり、セルジュの両肩に手を置いて、いきなり土下座した。
「コイツは私たちがホントに甘やかして育ててしまって、手に負えない所もあって君には苦労をかけてしまうかもしれないが……くれぐれも頼みます」
警視総監ともあろう男が、床に頭を押し付けてセルジュに懇願しているのだ。
俺は目を見開いて息をのんで、それ以上何も言えなくなった。
「……顔をあげてください。彼は努力家で素晴らしい人だと思ったので、オレは惚れました。素晴らしい両親に育てられたからだとおもいます」
セルジュは、親父の腕を引いて体を引き上げてそう言った。
「統久さんを……オレにください」
セルジュがそう言うのを聞いて、2人のやりとりに俺は目頭が熱くなってしまい、オレは天井を仰ぐしかなかった。
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