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「わかる。やっぱり、ちょっと田舎くさいんだよね」  クスクスと笑う声。  今度はしっかりため息を吐いて、傘を諦めてその場を離れた。 「嫌なら離れればいいじゃないか」  律は簡単に言う。  風呂を借りたついでに、湯上りのカルピスをご馳走になっていた。 「それはそうなんだけど……。誰とも口をきいてもらえないのは、かなしいよ?」 「そのかなしい思いを、小さい彼女にさせてるくせに」 「容赦がないね」 「当然。だって新吾は、もっと強かっただろ?」  いつの話をしているのだと目で問う。律と出会ったのは三月の終わり、まだ二週間ほどの付き合いだ。 「いじめられても、一人で我慢してた」 「え……?」 「子どもの時は……」  造りもののような綺麗な顔を凝視する。  父を事故で亡くし、小一の夏に母の実家に引っ越した。幼稚園から一緒だった友だちと別れ、新しい学校に移った新吾を待っていたのは、幼いいじめだった。 「誰も遊んでくれないって泣いてたくせに、せっかく誘ってくれた相手に口ごたえして……」 「ちょっと待って。なんで、律がそんなこと知って……」  誰も知らないはずの話だ。  母にも話したことがない。知っているのは……。 「さあ。なんででしょう」  綺麗すぎる顔がにっこりと笑みを浮かべる。白い花が窓の外で揺れる。  庭を通って離れに戻る新吾を、律が縁側で見送った

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