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【2】-2
「わかる。やっぱり、ちょっと田舎くさいんだよね」
クスクスと笑う声。
今度はしっかりため息を吐いて、傘を諦めてその場を離れた。
「嫌なら離れればいいじゃないか」
律は簡単に言う。
風呂を借りたついでに、湯上りのカルピスをご馳走になっていた。
「それはそうなんだけど……。誰とも口をきいてもらえないのは、かなしいよ?」
「そのかなしい思いを、小さい彼女にさせてるくせに」
「容赦がないね」
「当然。だって新吾は、もっと強かっただろ?」
いつの話をしているのだと目で問う。律と出会ったのは三月の終わり、まだ二週間ほどの付き合いだ。
「いじめられても、一人で我慢してた」
「え……?」
「子どもの時は……」
造りもののような綺麗な顔を凝視する。
父を事故で亡くし、小一の夏に母の実家に引っ越した。幼稚園から一緒だった友だちと別れ、新しい学校に移った新吾を待っていたのは、幼いいじめだった。
「誰も遊んでくれないって泣いてたくせに、せっかく誘ってくれた相手に口ごたえして……」
「ちょっと待って。なんで、律がそんなこと知って……」
誰も知らないはずの話だ。
母にも話したことがない。知っているのは……。
「さあ。なんででしょう」
綺麗すぎる顔がにっこりと笑みを浮かべる。白い花が窓の外で揺れる。
庭を通って離れに戻る新吾を、律が縁側で見送った
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