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【5】-2
マジで、林檎に恋してる? と聞かれ、だったら? と少しムッとしながら聞き返した。
「だったら、どうする? ずっと、林檎の木の下で会ったあやかしのことが好きだったって言ったら、律は……」
座卓の向かい側に行き、律の身体を振り向かせる。
「律は、応えてくれる?」
「え、新吾……?」
衝動的に抱きしめると、律が身体を硬くした。
「律は、俺のことが好きで好きで、ここまで追いかけてきた林檎の木なんだろ?」
「え、あの……、何か、誤解……」
慌てたように言われたが、勢いで畳に押し倒した。
上から見下ろす律も美しい。
「キス、する」
「え? あ、はい」
ガシ、と一度歯がぶつかった。
「いて……」
抗議の言葉を塞ぐように唇を重ねた。
落ち着け。自分に言い聞かせながらそっと律を食んだ。人の唇が柔らかいことを初めて知った。花のようだと思った。
一度唇を重ねただけで、律の身体を起こした。不穏に滾る股間のものが勝手に暴走しそうで怖かったのだ。
「き、今日はここまでに、しよう」
「わ、わかった……」
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