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 だから、優しく言ったのだという。  ――悲しいことがあったら、いつでもここにおいで。 「その後、新吾がせっかく誘ってくれた友だちに口ごたえしたの、覚えてる?」 「なんだかそんなことがあったな。余計に仲間外れにされたことは覚えてる」 「あの時、村の子どもたちは、魔女に石を投げに行ったんだ」 「魔女……?」 「みんなについていって、なのに新吾はそんなことはできない、したくないって言って、一番大きい六年生の女子に、そんなことを命じるおまえのほうが魔女だって、つかみかかったんだよ」 「昔は、やんちゃだったらしいから……」 「僕の母さんだ」 「うん?」 「その魔女」 「え……」 「だから、新吾が仲間外れになったことにちょっと責任感じてたし、ずっと心配で、村を出てからも様子を聞いてた」  伯父の元で暮らすことになった経緯は長くなるので割愛すると言い、どっちも子どもを引き取れる状況じゃなかったとだけ言った。 「全体的には、伯父のところで育ってよかったと思ってる。あの木もあったし」 「あれは、なんでここにあるんだ?」 「詳しいことは知らないけど、伯父もあの村で育った人だからね。何か思うところがあって植えたのかもね」  水を止めて、ホースをまとめる。 「いろいろあったけど、祖父母はずっと村に残ってたから、時々、新吾のことを聞いてた。なんで聞くのか不思議がってたけど、わかる範囲で教えてくれたよ。家を出て、大学はこの辺に来るって聞いた時は驚いたけど」  いたずら心で不動産屋に募集を出したら、まさかの入居希望者が現れて、その名前を見て驚いたと言う。 「マジか……」

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