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第3話
「ひっ、やだやだっ、離して!!」
「なんで?」
彼は僕の手首を思いっ切り掴んで壁に押し付け、足を僕の股にグイグイと押し付けてきた。
そして顔を僕の首筋に近付けてくる。
「こうされるの好きだったじゃん」
何も知らない時はね!!
好意も何も無い相手にこんなことされても嫌悪感しかない。体中がゾワゾワして鳥肌が立つ。
「やめて!」
「やーだ」
ガブリと首筋に噛み付いてきて、そのまま吸いつかれた。思わず悲鳴が漏れた。
「ん?おっかしーな、なんで勃たないの?」
「勃つか!!!」
なんだ、なんなんだ!!
思わず気持ち悪いと感じてしまう。どうしてこいつは女の子に浮気してたのに僕を襲うのか。
片手で易々と僕の手首を押さえつけ、空いた方の手で制服のボタンを外していく。
手を出されたことは今までに何度もあった。現場を見る前なら愛されてると思って喜んで受け入れてた。
僕のことなんて最初から遊びだったんでしょ!
どうせ男が自分に好意を寄せてるのが面白かっただけだ。僕だってなんで君に恋をしていたのか今となってはよく分からない。
彼は僕があまりにも拒否をするからかムッとして顔を顰めたあと、何か思い付いたような顔をして嬉しそうにスラックスに手を掛け始めた。
こ れ は ! !
ええーい待て待てぃ!やめろ!僕の急所を取り出すな!!
「そういえば俺からこれってしたことなかったよな」
そう言いながら彼は僕の急所を口に含もうとした。そう、含もうとした。喜ばしいことにそれは未遂に終わったのだ。
させてたまるか!と僕が勢いよく膝を振り上げるのと、空き教室の扉が開くのはほぼ同時だった。
開いた扉の向こうに立っていたのは、僕が昨日ぶつかって土下座をした生徒会長さん。
突然現れた生徒会長さんに固まる僕。僕に膝蹴りされて鼻血を出しながら仰向けで倒れている彼。多分気絶してる。
そして、そんな僕らをたまたま訪れた空き教室にて目撃してしまった生徒会長さん。
地獄か。
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