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6.絶対服従 -3

祐仁は右手を上げてふたりにかかるシャワーを横に向けた。 出しっぱなしの湯は蒸気で曇った鏡面をクリアにしていく。 そこに颯天がくっきりと映しだされた。 祐仁の右手が腰もとに戻り、手のひらは下腹部を這っていく。 その目的地は考えるまでもなく、早くも颯天のオスはぴくっと脈を打つような反応をした。 「朔間さんっ」 「壁に手をつけ」 祐仁の手がそこにたどり着いたとたん、声をあげながら躰がびくっと大きく跳ね、颯天は不安定によろける。 命令に応じるまでもなく、颯天は自分を支えるべく鏡を挟むようにして自ずと壁に手をついた。 祐仁の手がゆっくりと颯天のオスを扱いていく。 祐仁の手はすっかり颯天になじんでいた。 痛くも緩くもない触れ方にオスは急速に硬く(たぎ)っていく。 胸もとに置いた手は乳首を転がすように這う。 颯天は躰をびくびくさせながら逃げるように腰を引いたが、そうすれば祐仁のオスが尻にめり込んでくる。 う、あっ。 引いた腰を反対に突きだすようにして颯天は接触を避けたが、今度は突きだしたまま祐仁の手が摩撫するほどに腰が前後に揺れた。 鏡に映るその情けない恰好が見ていられず、颯天は目を閉じた。 「颯天、ちゃんと目を開けて自分を見ろ」 「い、やだっ……く、ふっ、ふっ……」 喘ぎ声を堪えようとしても吐息が漏れだす。 「素直でおれに従順なおまえを見せろ。そうでないと話したいことも話せない。おれが望むのは、おまえの絶対服従だ」 そう云ったあと、胸もとに宛てがっていた手が離れていく。 祐仁は右脚で颯天の右脚を外側に押しやり、左手で左脚を開くように動かした。 祐仁の手はそこから腿を這いあがり、指先が尻の間に忍びこんで後孔の入り口に触れた。 ほぐすように()みこみ始める。 あ、はっ、ふあっ……。 颯天はとっさには声を止められなかった。 あまつさえ、締まりがなくて舌っ足らずの嬌声になってしまう。 蕩けそうなのは脳内だけでない。 オスの先から蜜が蕩けだして濡れそぼつ。 後孔を弄られただけで腰を揺すってしまうほど感じるのに、オスはオスで嬲られて訳がわからなくなっていく。 「云ったとおり、ちゃんと後ろを仕込んでるようだな。指が吸いこまれそうだ。颯天、目を開けて鏡を見ろ」 思考は快楽に侵されて、祐仁の声だけが鮮明に脳裡に届く。 命じられるまま、颯天は目を開けた。 のぼせた自分の顔、突きでた乳首、引き気味にした腰は()びるように揺れている。 そのさきには、祐仁の手の中に颯天のモノがおさまっていた。 太く屹立(きつりつ)したオスはオイルを(まぶ)したようで、祐仁の手がするするとなめらかに行き来する。 「あ、あ、だ、めだっ……」 「無意識に逆らうんじゃなくて、もっとって催促してみろ。素直になったほうがラクだぞ」 含み笑いながら祐仁はだんだんと手を速く上下させた。 一方で、後孔は熱を孕んで緩んでいくような感覚がする。 あっくっ、あ、あ、あ……。 「ほら、どんな気持ちだ」 祐仁は親指の腹をオスの先端に当て、ぐりぐりと動かした。 見せつけるようにゆったりとしたしぐさで、シャワー音を掻いくぐり、ぬちゃぬちゃとした音を立てる。 颯天が吐きだした蜜のせいに違いなく、視覚に入ってくるすべてが快感に変わった。 祐仁が親指の先を立てると、颯天はどう嬲られるのか、これまでの経験から嫌でも悟らざるを得ない。 「あ、やめっ……」 孔口に爪が立てられる。 ゆるりと(えぐ)るような動きをした。 同時に、後孔にもわずかに指が潜ってくる。 そうして出たり入ったりを繰り返すと、もうたまらなかった。 「あああっ、だめだっ」 「逝く、だろ」 あ、あ、あっ……。 颯天は首を緩慢に横に振って拒みながら、それでも嬌声はどうしようもなかった。 祐仁は器用なほど前と後ろを同時に快楽で攻めてくる。 逆らっても逝き着くさきは一緒だ。 そんな颯天のあきらめを――それは云い訳にすぎなかったが、祐仁は察したようにくっくっとこもった笑い声を漏らす。 「颯天」 囁くような、そして熱のこもった声は甘美に颯天の思考を侵した。 「ああっ、逝く――っ」 腰を何度も押しだしながら颯天は慾の証しを迸らせ、それは勢いのあまりピチャッとかすかな音を立てて鏡に貼りついた。

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