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22.走破~無自覚の求愛~ ‐3

「まえに祐仁は云った、育てる側になるために愛人やってたって。おれも男娼として何が快感か、どうすれば気持ちいいか、嫌というほど知ってる。だから祐仁も覚悟したほうがいい」 祐仁は鼻先で笑った。 ばかにするのではなく、二度も颯天から逝かされたくせに、奪ったと思った自尊心を乱すことなく、できるのかと挑発めいている。 望むところだ。 そんな意地を覚えながら颯天は躰を後ろにずらして、祐仁の脚をつかみ膝を立てさせた。 少し感じた抵抗は羞恥心からくるものか、颯天は無遠慮に後孔に指の腹を当てる。 ぴくりとした生理的反応を快楽に変えるべく、指先をうごめかした。 小さくまわすように捏ねながら、入り口を揉みこんでいく。 ふ、くっ。 祐仁は喘ぎ声になる寸前で堪えたのだろうが、防ぎきれず、かえって艶めかしく響かせる。 それだけ感じているということで、颯天は、つぷりと指先を中に潜らせた。 すると、祐仁の腰がうねり、颯天の指が呑みこまれていく。 それは無意識のしぐさなのか、腸壁の誘導に逆らわず颯天は指を奥へと進めた。 体内は思っていたよりも熱がこもり、指先に絡んでくる。 自分の快楽点を思いだしながら、ゆっくりと弄っていると、ふいに祐仁が腰を跳ねた。 伴ってオスもぴくりと反応した。 少し指の位置をずらし、またそこに戻すと、同じ反応が現れる。 「ここだ」 颯天は独り言のようにつぶやき、快楽点をゆっくりと摩撫する。 くぅ――っ。 祐仁はつらそうに呻き、腰を浮かせた。 オスは芯を確かにしておもしろいようにだんだんと勃ちあがっていく。 いや、おもしろいというよりも、官能をくすぐられ煽られる。 颯天はオスの根もとをぎゅっとつかみ、顔を寄せていった。 そうしながら上目遣いで祐仁の顔を見やると目が合う。 ふっ。 颯天が口を開いたとたん、祐仁がその刺激を予測して喘いだ。 今度は焦らすことなく、颯天は突端を頬張った。 口の中で祐仁のオスは一気に膨張して喉の奥を突いてくる。 伴って、颯天はそこに吸いついた。 自ずと舌がオスに巻きつき、祐仁は嬌声を放った。 指先をうごめかしつつ、祐仁のオスを軽く吸いあげるようにしながら舌で孔口をまさぐる。 うぐっ。 祐仁は痙攣するように腰を揺らし、孔口からは塩辛いような蜜液が滲みでてくる。 オスの根もとをつかんだまま、親指で裏筋をつーっと撫でれば、祐仁は腰をせりあげる。 逃れようとしているのか、颯天は逆手にとってオスを呑みこみ激しく吸引した。 どくんとオスが脈を打つ。 ぐ、ああっ。 ぶるぶると下半身がふるえ、また祐仁が逝くまでにそう時間はかからないのかもしれない。 けれど、颯天は今度は簡単にそうさせないつもりだった。 颯天はオスを奥深くまで呑みこみ、そうして吸引するように顔を上げると、いったん口から出して孔口を抉るように舌で弄る。 それを繰り返して何度めか、孔口に舌をねじ込むようにすると、ぷしゅっと液体がわずかに飛び散った。 粘液ではなく、さらっとしていて、それはあの日のように潮を噴く前兆に違いない。 颯天はくすぐるように孔口で舌をうごめかす。 祐仁は躰をよじりながら腰を揺さぶってくる。 「やめて、くれ……」 朦朧とした声が颯天に希う。 「だめだ。祐仁をめちゃくちゃにする。あのときのように」 オスを咥えると、ますます硬く太くなっている。 目覚めた加虐性は高みに達し、颯天はオスの根もとをしっかりとつかんだ。 吸着しながら舌を激しく動かし、指は腸道を広げるようにほぐしながら弱点を責め立てる。 どれくらいそうしていたのか、吸着するたびにジュルジュルッと淫らな音が立つほど蜜は止めどなく溢れ続ける。 舐めきれなかった蜜は孔口へと流れて、そこもまた水浸しの音を嫌らしく繰りだしている。 祐仁のオスは破裂しそうなほど太く充血していった。 祐仁の吐精感が極まっているのは明らかだ。 根もとの締めつけによって不可能なまま、快感だけが膨大になっていく。 「ぐっ、ふっ……颯天、無理だっ」 祐仁は弱音を吐く。 目を上向けて見上げても、いまや颯天を見返す余裕すらもないようで、のぼせた表情のもと、喘いで閉じることのままならない口の端からは唾液が伝っていた。 「逝きたい?」 颯天は顔を上げ、腸壁を摩撫しながら訊ねた。 「やめ、てく……れ……」 「おれがそう云ってもやめてくれなかった。これはおかえしだって云ったはずだ」 「放せ……」 力なくも祐仁は命じた。 そうすれば颯天が云うことを聞くと思っているのか。 「あいにくと、いまはおれに主導権があるんだ。けど、放してみようかな。そうしたら祐仁はどうなる?」 その問いに応えたのは祐仁のオスだった。 怯えたようにひくつく。 颯天は後孔から指を抜き、孔口にその指の先を当てた。 ぐりぐりと弄ると精悍な躰が頼りなく見えるほど全身で痙攣しだす。 「う、あっ、……や、め、ろ……っ」 「やめない。思いっきり逝くのがみたいんだ。祐仁、放すよ」 あえて教えると、祐仁は息を呑んだ。 自分の躰のことだ、祐仁はどうなるかわかっていて、半分は怖れている。 あとの半分は――。 突端に舌を這わせ、孔口に爪を立てるようにしながら抉るように揉みこんだ。 うっああ――っ。 祐仁が身悶えするさなか、颯天は締めつけていた手を一気に緩めた。 祐仁がかっと目を見開く。 「ぐぅ、わぁあああ――っ」 ぷしゅと孔口に当てた指のすき間から蜜を噴き、颯天は指先をそこで大きくうごめかした。 出口が開放された瞬間、淫水が激しく噴きだした。 そのなかに混じって白濁した蜜が迸る。 祐仁はがくんがくんと何度も腰を突きあげた。 颯天はその間も嬲り続け、噴出は一向におさまらない。 颯天の手がべとべとに濡れそぼち、祐仁自らをも濡らし、そしてシーツも淫水が浮くほど濡れていく。 「だ、めだ……」 祐仁の目は焦点が合っていない。 快楽の影響か、くちびるすらもふるわせ、その面持ちはあのときよりも、ずっと淫蕩(いんとう)に見えた。 颯天はオスの根もとをつかみ、搾るようにしてゆっくりと突端へ滑らせた。 あ、あ、あ、……くぅっ――。 乱れた嬌声は、ぴゅっと最後の蜜を吐きだしたのち、ぷっつりと途絶えた。 どさりと腰がベッドに落ちる。 声は尽きても躰はうねり、跳ねている。 颯天は伸しかかるように前にのめって祐仁を真上から見下ろした。

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