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第11話
僕はドキッとする。
暁さん……隣なんだ……。僕が文句を言える立場じゃないけど気が重くなる。どうしてこの部屋割り……苦手な二人の間に挟まれてるとか何の罰ゲームだ。
僕が暗くなっていると「……聖くん」と蒼真さんが呼ぶ。顔を向けると長身の蒼真さんは屈んで僕と目線を合わせた。顔合わせの時の淳治さんとそっくりの仕草だ。やっぱり親子だな、なんて呑気に思う僕に、蒼真さんは慎重に告げる。
「暁には……近寄らない方がいい」
「えっ?」
意外な忠告だった。僕は目を丸くする。
暁さんが近寄らない方がいいタイプなのは割と一目瞭然だ。イケメンだから女性には人気があるかもだけど、それはまぁ置いといて。
けど、それをわざわざ口に出すなんて。しかも、兄である蒼真さんが。よほど問題児なのか……?
いや。僕は胸中で首を横に振る。
何を疑問に思ってるんだ、問題児に決まってるじゃないか。先日の暁さんの凶暴さを思い起こし身震いする。ロボットモードでも怖いものは怖い。
「わ、分かりました」と僕が返事をすると、蒼真さんは安心したように目尻を下げた。
「うん。いい子だね、聖くん」
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