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第17話

*** ゲロ野郎の名前は椎名(しいな)聖つった。ああ、もう俺と同じ朝比奈か。 ジジイがどっかのババアと再婚するっつう話は全く興味なかった。が、こいつーー聖は別だ。 レストランで初めて見た時から気に入った。性別とかどうでも良くなるくらい、とにかく外見が好みだった。 が、蒼真なんざと目が合って恥ずかしそうにしやがって。舌打ちしてやったらビビってフォークとナイフを落としやがった。どんくせぇ奴。 だから、ビビりっつうことは知ってたんだがーー ーーこれはちょっと……異常じゃね? 「や、いや……ごめ、なさい……ごめ……」 色白の顔を益々白くして、うわ言のように聖は繰り返し謝る。 目に涙を一杯に溜め、震え、怯えるその姿はサドな俺の加虐心を煽った。「へえ……」と口角を上げる。 「お前……苛められてた系?それとも虐待?」 聖はビクッと全身を揺らすと「ごめんなさい……っ!お願い、殴らないで……っ」と涙を流しながら懇願した。どっちか、もしくは両方当たりらしい。 ドクッと俺の下半身が疼く。ちらりと覗く聖の赤い舌に吸い付きたくなる。 あーヤベ、こいつ……すげぇクる。 うっすらと開いた聖の唇に俺のそれを寄せようとした。 だが、その瞬間。 「聖くん!」 リビングのドアの方から鋭い声が飛んでくる。 チッ……うるせぇ奴が来やがった。 ***

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