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第6話

家に帰るまでにスーパーに寄って食材を調達した。 赤石に荷物を持たせ、全員に入ってもらう。 手洗いうがいを済ませ、食材を片付けると、キッチンにやってきたユキが「命」と控えめに名前を呼んだ。 「どうした?」 「……ごめんね」 「何もしてないのに謝らなくていい。」 俺の服を掴んでチラッと俺の顔を覗き込むユキがあまりにも可愛い。 そっと顔を寄せ唇を重ねると、目をぱちくりさせている。 「な?何も悪いことはしてない。謝るのは何か悪いことをした時だけ。わかった?」 「うん」 「じゃあ……すぐに珈琲をいれるから、若達に持って行ってくれる?」 「うん!」 カップを用意している間、ユキはリビングに行き若達と話をしている。 換気扇の下で煙草を吸い、一息吐いた。 珈琲をいれてユキを呼ぶと、すぐにやって来て運んでくれる。 「みっちゃーん。何か手伝うことある?」 「いや。いいよ。お前は若達と話してろ。久しぶりに会ったんだろ。」 「まあ、そうだけど……。でもみっちゃんに会ったのも久しぶりだから」 傍に来た赤石が「何作るの?」と聞いてくる。 「ユキが前に好きって言ってた春巻き」 「ユキ君のこと大好きだね。当たり前か」 「……なあ、ユキの事、どう思う?」 冷蔵庫に入れた野菜を取り出す。 若達に言われて気が付いた。 依存しているのはあまり良くない。 俺が居なくなった時のことを考えると、ユキは一人では生きていけなくなってしまうだろうから。 「ユキ君ねぇ……昔の様子からすれば随分成長したんだろうと思うよ。しっかり自分の気持ちを話すようになった。」 「そうだな。」 「でも、より一層みっちゃんの事が好きで好きで堪らないって感じだよね。……危なっかしくて仕方ない。俺も若と同じ意見。でも無理はしなくていいと思う。」 野菜を切りながら、そうだよな……と頷く。 「ユキ君は特殊な過去を持ってるから、余計にみっちゃんにくっついていたいんだろうね。ユキ君からしたらみっちゃんは自分を助けてくれたヒーローだから。」 「……そうか」 「だからみっちゃんがユキ君にお願いすればいいと思うんだ。買い物行ってくれない?とか言って。」 ふぅ、と息を吐いて、切った野菜を火にかけた。

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