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第7話

料理を作り終え、テーブルに並べるとユキは嬉しそうに目を輝かせた。 「春巻きだ!」 「うん。好きって言ってたから」 「好き!」 席につき、手を合わせて若が先に食べるのを待ってから自分も食事を始めた。 「美味い。いつもの事ながら命の料理は最高だな。」 「命さんのお料理、前もいただいたことありますけど、本当に美味しいです!」 「ありがとうございます」 若達の言葉に安心してから漸くユキを見ると、ユキも柔らかく微笑んで食事をしていた。 赤石も口にかき込むようにして食べているから、口に合ったのだと思う。 食事を終え、片付けをしている間、ユキと陽和さんが飼い猫のシロと遊んで、その様子を若が眺めていた。 隣には赤石がいて、洗った皿を拭いてくれている。 「なんか、こういうのいいよね。俺も猫ちゃん飼いたいな。」 「燈人(とうり)さんに言えよ」 「言ったことあるんだけどね、ダメって言われた。俺が猫ちゃんと遊んでるのを見て嫉妬すると思うって。馬鹿でしょ?」 「……頷けないから」 燈人さんは浅羽組と同盟を組んでいる桜樹組の若頭。 そんな相手に馬鹿だなんて言えない。聞かれても肯定できない。 正直に言うと馬鹿だと思ったけど。 暫くすると若に連絡が入り、直ぐに出なければ行けなくなったらしい。 迎えがやって来て、若も陽和さんも、赤石も帰っていった。 ユキとシロ、それから俺だけになった部屋は静かで、ユキがふわふわとあくびを零しているのが見えた。 「ユキ、ちょっと昼寝するか?朝早かったし眠いだろ。」 「命」 「何?」 シロを抱っこしたユキが近付いてきた。シロの右手を掴んで軽く上げる。 「命も一緒に寝よう?」 そして招き猫のように手を動かして誘ってくる。 それぞれが単体でいても可愛いのに、二人合わさると可愛さが倍増して、気がつけば首を縦に振っていた。

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