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第2話 変態王子参上
体育も後半に差し掛かり皆疲れが見えてきた。
この学園の体育は続けて2時間やるため、最後の辺りになると皆バテて倒れてしまう。
そんな中でも桜井くんがバテている所を見たことがなかった。
僕は出番が終わり、疲れたので壁際に座り込もうとしたとき、お尻に何かが当たった。
「うわっ!」
驚いた僕は直ぐに立ち上がり、後ろを振り返ると寝転がっている桜井くんの顔があった。
しまったと思ったときはすでに時遅し…。
「ちょっと桜井くんの顔に乗るなんてサイテー!」
見ていた一部のクラスメイトが僕にそう言ってきた。
しかし、桜井くんは起きる気配がない。
隣にいた葛木くんは何かの本を熟読していたらしく、僕が顔に乗ったことを知らないようで僕を見て首をかしげた。
「桜井、起きろ。」
そういうと葛木くんは桜井くんの腹に本の角で思いっきり叩いた。
「ぐふっ」
桜井くんは痛いのか悶絶し、転がり始めた。
「くそっ!理想の尻が俺の顔面に乗ってくれたという夢を見たのに俺の至福の時の邪魔をしたのは誰だ!」
桜井くんは腹を押さえながらキレていた。
「それ現実だぞ。」
葛木くんは呆れたようにため息をついた。
「何!俺の顔面に誰が乗った!」
鬼の形相の桜井くんに直ぐに名乗れない僕。
家のことを考えると怖くて名乗れなかった。
「そこのちびブス」
と、葛木くんは僕を指差した。
終わった。
お父さん、お母さん。僕はあなた達の住む空へ参ります。
「君は…。誰だ?」
だよね?
ブスなんて眼中にないよね。
「まぁ名前なんて所詮物を呼ぶためにあるものどうでも良い。」
はい、ブスには必要ないです。
「君は俺の理想の尻だ!」
桜井くんが僕の両肩を掴み、見つめてきた。
「え?」
僕はわからず思考が停止した。
「俺のために毎日尻を触らせてくれ!」
キーンコーンカーンコーン
体育の授業が終了した。
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