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第7話 変態がもっと変態へ
桜井side
「うっ」
痛む頭を押さえ、目を開けた。
「起きたか?」
四月一日が横に座ってた。
どうやらベットに寝かされてるのは理解した。
「んだよ。」
「椿じゃなくて悪かったな。」
桜井はムカついたのと同時に四月一日に向けて拳を振り出しだが、受け止められてしまった。
「ここは?」
「保健室」
そういうと拳を四月一日が桜井の拳を下ろした。
「頼むから椿を弄るな」
四月一日がため息をつく。
「弄ってない」
「あいつの叔父からあまり目立たせるなって言われてんだよ。」
「叔父?」
四月一日がため息をついた。
「椿の父親は3年前の病気で亡くなってる。母親は5年前に事故死だ。」
その事実に桜井は驚いた。
「知らないぞ。」
「まぁ隠してるからな。」
四月一日はため息をついた。
「あいつは平凡な日常を望んだ。って聞いた。」
「どういうことだ?」
「さぁ?」
四月一日は本当に何も知らない。
ただ学生生活を見張れと言われただけだそうだ。
「なぁ、椿は何が好きだ?」
「昔はフルーツが好きだったな。」
四月一日はそう答えた。
「ここ数年は口にしてるところは見てないが。」
その言葉に桜井は眉をひそめる。
「いつもパン1個とかだ。」
「はぁ?」
桜井は椿の食事風景を思い出すが、いつも窓から外を見てるだけだった。
「俺もあいつのことを全て知ってる訳じゃない。俺は親父からの指示で従ってるだけだから詳しいことは知らねぇ。」
四月一日がため息をついた。
「あいつはたぶん、何かを隠してる。」
「隠してる?」
四月一日の言葉に桜井は納得いかなかった。
「たまに怪我してるからな。詳しく聞いても何も言わない。」
四月一日がそういうと桜井は渋る。
「そうか…なら…」
桜井の次の言葉に四月一日は引いた。
「椿の尻をもっと揉まなければ!」
保健室に高々と響いたのだ。
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