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第11話 古典的

「またか…」 上履きに画鋲とか古い。 自分に割り当てられた下駄箱の上履きを覗くと嫌でも上履きの中の画鋲が目に入った。 僕はため息をつき、画鋲を上靴が出した。 「随分古典的ないじめだな。」 「ソダネ」 四月一日も驚いていた。 「おはよう、バカどもは古典的な戦法から開始か?」 葛木くんがそう言いながら下駄箱にやってきた。 「定番なの?」 「あぁ、飽き足りずにな」 四月一日の質問にあっさり答える葛木くん。 いじめに定番とかあるんだ。 「怪我は?」 「今のところはない。」 葛木くんは心配してくれるようだ。 「「あんれー? れいれいじゃん」」 同じ顔をした2人が立っていた。 「翔(しょう)、翔(かける)」 その双子?と思われる2人は笑顔で葛木くんに近づいた。 「あれ? ようようじゃん。」 「ちまたで話題の」 双子は僕に気づくと近づいてきた。 「弄るなよ。」 「「わかってるよ」」 双子は嬉しそうに僕を見た。 「あの…」 僕は無言で見つめてくる双子に戸惑った。 「確かに豊の好みだ」 「間違いないよ~」 しょうとかけるは二人できゃっきゃとはしゃぎ始めた。 「可愛い~♪」 「ウサギとかリスだよね」 二人が思い思いに口を開く。 「しょう、かける。俺の椿にちょっかいだすな!」 と、桜井くんが登場。 僕に近づき抱き締める。 そして、尻を撫でる。 お決まりになりつつあるこの行動に僕はため息をついた。 「だって、ゆたゆたが隠すからぁ。」 「隠されたら気になるだろぉ!」 双子がぶりっ子になって言う。 「どうせ、父さん、母さんに報告だろ?」 桜井くんが少し怒ってる? 「だってゆーが言わないからご主人様が心配がってるぅ♪」 「そだそだ!」 双子が楽しそうに言うが、桜井くんはそれに反して目を吊り上げていた。 「えーい!そんなんあいつらに関係なーい!」 玄関に響く、美声はいつもより何だか嬉しそうだった。

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