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第12話 王子の秘密
ひそひそ…。
内緒のお話は別の所でしてくれ。
なんて言えるわけもなく。
桜井くんは普通に息を荒くしながら僕の尻を相変わらず揉むし…。
「椿の尻最高!」
「うわっ!」
桜井くんが屈んで僕の尻の匂いを嗅ぐことが増えてきた。
「あ、あのね、桜井くん…」
教室のど真ん中は困るよ~(泣)
「今日も良い尻だ。もっと揉んで匂いを嗅ぎたい!」
相変わらず会話にならない。
ため息をつくと葛木くんがため息を着きながら桜井くんの耳を引っ張った。
「いててててて」
「椿を困らせて楽しいか?大体そういうことは二人っきりの時にやれ!」
葛木くんはそういう桜井くんにチョップをした。
「だってぇ椿の尻が落ち着くんだもん」
「もんってキモい。」
桜井くんと葛木くんが並ぶとイケメンと美人?ですごく感じが良い。
僕なんて…ちびで、ブスだからないな。
「また尻か?」
四月一日に聞かれ、頷いた。
「飽きねぇな」
「飽きるわけがない!」
四月一日の話に何故か桜井くんが飛び付いた。
「良いか…椿の尻はな…」
四月一日に真剣に語り出す桜井くん。
僕はただ見守るしかなかった。
「それより桜井、尻より花房の双子がごねてたぞ。お前がまともに親と顔を合わさないって「当たり前だ!」」
食い込んで答える桜井くんに僕は目を丸くする。
「椿の尻を見るためにすぐに部屋に戻るからな!」
「え?」
僕は思わず反応してしまった。
「椿の尻だけを集めたフォトブックがあるからな!もう10冊になるぞ!」
僕は引きながらもどうやったら10冊になるんだろうと考えた。
「また撮らせてたんだろ、諜報部に。」
葛木くんは呆れている。
「そりゃね、可愛い尻を高機能超望遠カメラで!」
胸を張る桜井くんに僕は引くよりも最早感心してしまった。
そこまでして僕の尻に価値があるのだろうか?
「兄貴にバレたら知らねぇからな」
葛木くんがそういうと手洗いと言ってその場を離れた。
「バレるも何もバラしたんだがな。」
桜井くんの呟きは誰にも聞こえてない。
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