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第26話 意外
着替えはサイズがぴったりのパーカーと半ズボンを貸してもらい、食堂に案内してもらった。
食堂に行くと顔をパンパンに腫らした桜井くんと桜井くんを連れていったお兄さん。
それから僕と背丈の変わらないお姉さん?が座っていた。
「あら、早く席に着きなさい。」
お姉さんからそう言われ、言われた桜井くんと向かいの席につく。
「「「「「頂きます。」」」」」
そして、食べ始めるが誰も話をしない。
僕も習って黙々と食べるが、向かいにいる桜井くんを見ると可哀想で仕方ない。
食べ終わると配給の人がいるらしく、何か飲み物をと言ってもらったのでリンゴジュースを頼んだ。
「まったく。」
食事の飲み物が運ばれてくると僕の隣に座るお姉さんがため息をつく。
「まったく、こんなハレンチな馬鹿弟を持っていたとは知らなかったわ。親御様に申し訳が立たないわ。」
お姉さんがそう言いながら机を叩く。
「まぁまぁ~ゆきちゃん。ゆーくんだって、恋人のお尻が恋しい年頃なんだよ~。」
お姉さんにお兄さんがフォローするが、効果がなかったようだ。
「未成年よ!」
お姉さんの矛先はお兄さんに向く。
「その前に自己紹介が先だよ。ゆき。」
桜井くんを拉致したお兄さんがそういう。
「ごめんね、放置して。僕は長男の翼。豊の兄です。そして…」
「長女のゆきこ。豊の姉。」
「僕は~譲。ゆきちゃんと二卵性の双子なんだぁ。ゆずくんって呼んで!」
3人の紹介に僕は頭を下げた。
「あの…僕は…」
「話は聞いてるよ。椿洋くん。なかなかの災難だね。」
翼さんからそう言われた。
「実は貴方の伯母様は茶道の先生なの。前から相談を受けていたのよ。」
そんな繋がりがあるとは思わなかった。
「そうだったんですか、僕は知りませんでした。」
「そりゃそうだよ~。伯父さんが君をフェイクに使うなんて思わなかったよ~?未成年を盾にするって頭悪すぎるしぃ~♪」
ゆずくんはそう言いながら笑う。
「ゆず、失礼だ。」
「不躾ね。」
「ごめん~(泣)」
兄弟って羨ましいと感じた。
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