30 / 36

第28話 禁断症状

桜井くんのお家で過ごして早3日。 初日に会った以来桜井くんに会ってません。 なぜか避けられてる。 嫌われたのかな? 僕は悶々と考えながら庭を散歩している。 桜井くんのお母さんのこだわりの庭でかなり手入れをされているらしい。 「ねぇ~さすがに可哀想じゃない~?」 ゆずくんの声がした。 その声は窓の空いたリビングから聞こえた。 僕はさっと茂みに隠れた。 「確かに、ダメージは豊よりよーよーの方かもねぇ♪」 ゆみこさんの声もする。 「しかし、父さんが問題が片付くまでは相手のご子息だからとだな…」 翼さんの声は固く、悩んでるようだった。 「頭かった」 ゆきこさんの小バカにした声も聞こえた。 「傷もんにしたらゆーくんの責任だよ~?でも好きあって付き合ってるんだし~それによーくんが可哀想~♪ゆーくんが触らないようにするためによーくんに話しかける隙すら与えないようにしてるんだよ~(泣)」 「確かに不安よ。知らない人の家に来て唯一の知り合いに無視されたら辛いわ」 ゆきこさんとゆずくんの話を聞く限りどうやら僕は桜井くんに嫌われている訳ではないらしい。 「よーよーからしたら地獄よねぇ(笑)」 ゆみこさんも助け船を出してくれる。 「しかし…」 「今時の人となっている伯父の問題もあるのよ。あの子を一人にして良い訳ないわ。それに豊の禁断症状が始まってよ。」 「ん?」 桜井くんの禁断症状? 「やたらと男性お手伝いさんのお尻を揉んで『違う』って言っては別のお手伝いさんのお尻を揉んでるらしいじゃない。」 ゆみこさんの言葉に僕はずっこけそうになった。

ともだちにシェアしよう!