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第30話 伯母さんは…

桜井くんと仲直り?してからというものの、これからどうするかを考えていた。 「伯母さんが?」 百合子伯母さんが会いたいと申し出ていることを知った。 「うん、まぁ。あの事もあるから会ってくれるならって百合子さんが言ってるよ。」 「う~ん」 百合子伯母さんが申し出てくれているのはありがたいけど、僕は躊躇いがある。 いつも笑顔で僕を抱きしめてくれた伯母さん。 その伯母さんを苦しめてるであろう僕が会って良いのだろうか? 「百合子さんは大変楽しみにしていらっしゃる。」 桜井くんからそう聞くと嬉しくて何だか勇気が湧いてきた。 だから会おうと思った。 で約束の日が翌日だったわけで… 「ようちゃ~ん!」 伯母さんは桜井くんの家の玄関で泣き崩れた。 理由は言ってくれるけど涙やら鼻水を啜る音やらで何を言ってるのかすらわからない現状に僕はどうして良いかわからず、とりあえずゆきこさんが用意した客間に行った。 「洋ちゃんが…ひっぐ、いなくなっ…ひっ私…」 「あ、あのゆっくりで良いですよ「チーン!」…」 はい、凄く凄く本人には言えませんが、淑女の鏡と思われるようないつでもどこでも笑顔を絶やさず聖母のように優しく、女性らしいの立ち居振舞いをされていた伯母は見る影なく。 鼻水をすすり、涙を流し、大声で何かを泣き叫ぶ…。 「どうしたら良いんだ…」 会話という会話すらできず、その日は打ち切りなった。 理由は誰も話してくれない。 その後の皆の反応はというとゆきこさんとゆみこさんは僕を避けるし、翼さんは何かバツが悪そうにしている。 譲さんも何故か下を向いていて、誰一人として口を聞いてくれそうになく。 桜井くんは無言で僕に寄り添ってくれる。 ごめん、僕一人だけ訳がわかってない。

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