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第31話 嵐の後は…
桜井side
「どうだった。」
長兄の翼が洋の部屋から翼と譲がいるリビングに帰ってきた豊に話しかけた。
「まぁ…。」
豊は濁した。
何故かというと皆の反応に洋はついていけず、理想の女性像の伯母は理想とかけ離れた振る舞いをし、会話という会話すらできず、呆然とする洋に豊は寄り添うしかできなかった。
伯母である百合子さんを招待したのは15時そこから15分間、百合子さんが独壇場で泣きながら鼻水をすすりながらなんてされ呆然とする洋。
晩御飯なんてすくったスープがスプーンから大粒で落ち、スープをすくえていないスプーンを齧りだした。
それを見かねた豊が食べ物を口に運ぶ介助をしなければ洋はまともに食事すらできていなかった。
噛むのですらロクにできておらず、途中噎せたり、吐き出しそうにしているのを背中を擦ったり水を飲ませたりして、ゆっくりと食事をさせた。
「あれじゃ~百合子さんのあぐらかいて寝るとか知らないんじゃない?」
翼の横でロイヤルミルクティを啜る譲の一言に場の空気がお通夜のように静まった。
「大丈夫だよな?」
豊に念を押すように翼は確認する。
その豊は翼の前のソファに腰を掛け、首を横に振った。
「風呂もダメでした。」
その言葉に翼は頭を抱え、譲は合掌する。
「かなり重症だな。」
翼はどうしようかとため息をつく。
「あの人パッとはお嬢様って感じだけど知り合いとか仲良くなったらあれだもんね。」
譲はどこか遠い目をする。
「まぁ、それは事実だし治しようもない。」
翼は胃が痛いのか腹を擦り始めた。
「まぁ、一晩休んで大丈夫だろう。」
時間が解決してほしいと3人は心の中で祈った。
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