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6話*ルイスside*
「お前は、運命の番と言うモノを信じるか?」
ノア様にその様に聞かれ、一瞬肩が跳ねた
運命の番・・・
運命は
「あると、信じております・・・」
「そうか・・・」
ノア様は、ふむと頷いて目を閉じて椅子に背を預けた
言いたい・・・
私の運命の番は、・・・貴方なのだと
言いたいけど、言えない
こんな従者な俺が、α+の中で最も気高き貴方様に釣り合うワケが無い
「どうした?顔色悪いぞ」
俺の今の感情が、顔に出てしまっていたらしい
騎士の俺が、何と不甲斐無い
「申し訳有りません」
「いや、謝罪を求めてるワケじゃ無い。具合悪いのなら、部屋行って休め。もう俺はやる事ないのだから」
今、この場に居続けたら、何かを言ってしまいそうで怖かった
Ω性の写真をいくつも並べて見ている、運命の番であるノア様を見て居たく無かった
心臓が握り潰された様な感覚がする
「では、お言葉に甘えて失礼します」
扉の前で一礼をして、俺はそのまま自室に向かった
護衛騎士と言う事もあり、俺の部屋はノア様と部屋が近い為、数分歩いたら着いた
制服を脱ぎ、楽なズボンを履いて上半身裸でベッドに横になる
番いたい・・・
いくら願っても、この願いは叶わないだろう
あの方はこの国の第2王子
自分は、底辺の家で産まれた人間だ
それも、普通のΩだったら未だ良かった
だが俺は、
数百年に一人産まれるかどうかと言われている、・・・σなのだ
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