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7話*ルイスside*

本当にα−とΩ−の普通の両親から産まれた 産まれた時は、Ω−と医師に診断された しかし、10歳を迎えた頃から生じる発情期に異変が起きた 本来ならば、3ヶ月に1度の発情期なのだが、毎月起きるのだ その発情期が起きている間は、運命の番以外を認識したくないかの様に、他人を見ると吐き気が起きた。それは、両親でも同じだった 父さんの昔からの友人で医者であるジンさんに、診察をして貰った その結果、ΩはΩでも特殊な性別のσであると診断された ジンさんによると、古文書に書かれている症状と俺の発情期の症状が一致するのだそうだ。 σは、運命の番しか受け入れる事が出来ない そして、一度その運命の番に出逢ってしまうと、恋い焦がれても求めてしまうらしい ジンさんに、この事は他言しない様にと言われた それもそうだろう 普通だったら、性行為しても受精率は50%を切る しかし俺の場合は、受精率100%なのだ それに加え、種付された方の性別を受け継いだ子供を必ず産む いくら受け付けないとは言っても、それは気持ちの問題で、中に種付されてしまえば意味が無い そんな事を世間に知られたら、悪用されるに決まっている その為、俺の為に静かな森の中で暮らした そんなある日、俺の運命は大きく変化する事になった 天気が良いし、発情期は過ぎたからと、森の中心にある大樹に寄り掛かって日光浴をして居た 暫くボーーッとして居たら、ガサガサと草が踏まれる音が響いた 「先客か?」 少し高い子どもの声が聞こえた

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