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10話*ルイスside*
「遅いぞルーカス!!」
父さんに付いて街の外れに行くと、ジンさんと黒い軍服を着た赤髪の男が居た
その人は、服の上からでも分かるぐらいの筋肉だった
「おう。スマンスマン」
「リオ、久し振り!」
「あぁ」
マッチョの人がリオって言うのか
「あ、ルイは赤ん坊の頃に会った事あるんだが、多分忘れてるだろ。紹介する。リオ・ユーランだ。今は出世して第一騎士団隊長をやってるんだと」
「よ、よろしくお願いします」
190cmありそうな長身でつり目
少し怖い・・・
「よろしく」
威厳というのか、雰囲気からして強いのだろう事が分かる
自然と体が震えてしまった
「やいこら、我が息子を威嚇するなよ」
「イタッ!してねえよ!」
「お前の雰囲気が既にどこぞのチンピラなんだよ」
「知らねえよ!」
父さんはリオさんの頭に平手打ちして、喧嘩が始まった
「あの二人、相変わらずなんだな」
「あぁ、何方も子供だ。それよりルイくん、体調はどうだ?変わった事ある?」
ジンさんがいつの間にか隣に来て、そんな事を聞かれた
変わった事・・・
そうだ、ジンさんには言っておかないと!
「あ、あのっ、ジンさん!」
「あ、そろそろ行くわ」
「もうか?」
「おう。じゃな、ユーリ」
「あ、うん。仕事頑張れ」
俺とリオさんの声が重なって、俺の声はジンさんに届かなかった
「どした?」
「・・・いえ、何でも」
まぁ、帰ってから言っても良いよね
それから数十分経つと、周りがより一層騒がしくなった
「お、そろそろ始まるか!俺らも大通りに行くぞ」
父さんの声で、賑わっている大通りに向かった
街の人が道を作り、そこを王子や騎士の人達が通る
街中に響く明るい音楽が魔力ボール から流れる
第2王子って、どんな人なんだろう・・・
なんだかんだで、楽しみにしている自分がいる
音楽が流れ、空から炎が雪みたく降る
これが表すのは、その王子が持つ魔力の属性だ
炎と言う事は、王子は炎属性という事になる
周りがより一層歓喜に包まれ、開始時間になった事を示す
始まった・・・
ドキドキと心臓が高鳴って、城のある方向を見る
城からスタートして、人が作った道を通り城に戻る
それが、歴代の王子の披露目会のやり方らしい
しかしその根本は変わらないが、毎回派手になっているらしい
お父さんの頃までは馬車だったんだが、今の王が披露目された頃からは、召喚獣に乗ったり空を飛んだり、魔法でショーをしたりと1つのショーとしてなっているらしい
僕は話では聞いた事があったが、見るのは初めてなので興奮している
「さ、今回はどんなショーになるかね」
横にいたジンさんは、楽しそうに弾んだ声で道を見ていた
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