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12話*ルイスside*
ん・・・、此処は・・・
「ルイ目が覚めたか?!」
「父さん?」
俺は気が付いたら自分のベッドに横になって居た
さっきまでの発作は嘘の様に落ち着いている
「ジン起きた!」
「どれどれ」
リビングにいたジンさんが父さんの声で部屋に入って来た
「熱は無えし、発情ってワケでも無いな。いきなり倒れたから心配したんだぞ。ユーリは倒れた理由に心当たりある様なんだが、本人から聞けって言って教えてくれないんだ」
母さん・・・
「父さん、ジンさん、俺・・・、運命の番が分かった」
「「え?」」
目の前の二人は目を見開いた
それもそうか・・・
「え、誰なんだ?ルイ」
「マジかよ・・・。今回の披露目会と関係があんの?」
ジンさんの言葉に小さく頷いた
「て事はまさか・・・」
「え、ジンお前分かったのか?!誰だ誰なんだ!」
「ノア王子・・・」
「え、ルイ。もっかい言ってくれ」
信じられないと言った顔が目の前に2つある
「僕の運命の番相手は、ノア王子・・・です」
「はああああ?!」
「やっぱり・・・」
もう、運命の番相手は諦めた方が良いのかな?
一生独りで生きていくのかな?
そう思うだけで、心臓に針で刺された様な痛みが起きた
父さんは放心状態になり、ジンさんは眉間に皺を寄せて何かを考えていた
「ルイくんはさ、どうしたいの?」
ジンさんは真面目な表情で此方をジッと見つめて来た
「え?」
「ノア王子が運命の番なんだろ?σは運命の番しか受け付けられない身体だ。事実、今は薬で抑えられている発情期だが、薬飲まずに発情してしまった時、他人を見たら吐いたり魔力暴走をする。両親のユーリやルーカスですらだ。そんな身体で、他のαと結ばれるというのは不可能だ。選択肢は、ノア王子と番関係を結ぶか、一生独りで生きるかの何方かしか無い」
そんなの、言われなくても分かってる
「ジン!立場の差を考えろ!一国の王子とこんな底辺の普通の家庭だぞ!そんな方と番いになれるワケが無いだろ!」
父さんの言う通りだ・・・
「じゃあ、ルイはどうなるんだよ!可哀想じゃ無えか!折角、運命の番が現れたってのに!」
「そんなのッ!・・・どうしようも出来ねぇだろ。俺らの力じゃ無理だ・・・」
父さんとジンさんは、悲愴な表情で言い合う
「チャンスがないワケじゃねえ」
部屋のドアの方から、低くそれでいて芯の通った声が聞こえて来た
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