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15話

この反応は・・・ 「本気かよ・・・」 俺はポツンと小さい声で呟いた 「え、っと・・・その、・・・えっと・・・」 「Ωでも騎士を務めてる奴は居るから、別段気にする事でもねえよ」 「確かにそうなんですが・・・」 「何だ?騎士にでも番いがいたか?」 番探しなら、態々騎士に入って来た理由としては合点が行く 「い、いや・・・、ちがっ・・・」 視線が右往左往して、顔がトマトの様に真っ赤になって居る これで当分は揶揄えそうだな 「そうゆう事にしておいてやるよ。発情期とかどうしてるんだ?抑制剤飲んだとしても、ある程度の症状が出るんだろ?体力落ちたりとか」 抑制剤って発作は抑えられるが、体力魔力等の力関係は自然と衰えてしまう 「それは、私が幼少の頃からユーラン隊長に鍛えられてましたので、そこの所は最小限で留められます」 ユーラン? 「ユーランって、あの第1部隊隊長のリオ・ユーラン?」 「はい」 「知り合いだったんだ」 あの仏頂面の鉄仮面と有名なあの男に、人の世話が出来たのか 昔一度会った時の事を思い出して苦笑する 「はい。私の両親と友人関係だそうです」 「へー。世の中は狭いな」 あのユーランが、他人と戯れて居る所など想像が出来ん 任務や訓練、業務の時以外は無表情無口を貫いて居ると言うのに・・・ だが、均整のとれた筋肉、190cmはあるだろう身長、今までの功績により、陰ながら尊敬されて居ると言う。また、使用人達によるファンクラブみたいなの迄あるらしい イケメンだからな。目つき悪いけど 「それで、私が騎士団に入ると言った日から、毎日訓練を付けて頂いてました」 「ん?あ、思い出した。お前、数年前からずっと城ウロチョロしてたよな」 「え?」 ユーランと剣の稽古してたちっさい子供いたわ 何年も前だったから記憶から抜けてる所も在るけど そうだ。そん時結構話題になってたんだっけ 「あの断崖絶壁冷徹鉄仮面が、美少年をボコボコにしてるって城中賑わってたぞ」 どうやって誑かしたとか、あの子供がユーランのΩか?とか あの顔でショタコンか・・・って、ずっと思ってたわ 「え?!それ、本当ですか?!」 「本当本当。中には、ユーランの誑かし法を探るために、お前をストーカーしてた奴等もいたらしいぞ」 信じられないと言った表情で俺を見る為に見下げて居るので間抜けな顔だ 「でも、それをユーランと副隊長のファイスが圧力掛けて抑えてたって話だな。それで余計ストーカー組に火を付けて、抑えるのに相当時間掛かってたっぽいぞ」 「そんな事が・・・」 俺のせいで、と顔に有り有りと書いてあった 「でもま、お前に危害を加えようって奴は皆無だったから、幸いだったよな。結局そのストーカー組はあの胡散臭い腹の中が良く分からないファイスが撲滅したって話だぞ」 いつも笑顔で使用人達に人気なんだが、その笑顔の向こうが胡散臭い 口は笑っているが、目が笑ってなく常に何か黒いのを纏っている 俺の中で、怒らせてはいけない人物ナンバー1だと思っている 第1部隊隊長は本当は彼奴なのではないかと思ったり 密かに俺は彼奴の事を裏番長と言っていたりする 「ファイス副隊長は素晴らしい方です。俺に字や言葉、業務の事などを1から全て教えてくれました」 うん、この子はあの第1部隊に毒されてるな 「まあ、別にそこは良いんだがな」 「え、ちょっ!ノア様?!」 俺は体を上に登らせ、ルイスの膝の上に頭を乗せた あー、やっぱ男の体だ。固い 「まあ、いーじゃねえか。減るもんじゃねえし」 固いけど、これはこれでアリかもな 俺は少し寝ようと思い目を閉じた 「・・・・・これ以上、気持ちを増やさないで下さい」 ルイスがそんな事を悲愴な表情で言っている事に、俺は気づかなかった

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