17 / 30

16話

「___ま、___さま、ノア様」 誰かに肩を揺すられて瞼を開ける 「ん・・・?誰・・・」 「ノア様、寝惚けないで下さい」 目を開けると、イケメンがいた 「ルイス・・・か?おはよ」 「おはようでは無く、夕飯のお時間です」 夕飯・・・? もうそんな時間か 「いや、いらねえ。腹減ってない」 昼食べた後からずっと寝てたっぽくて、食欲が湧かない 「あ、あの・・・、頭を・・・」 頭? 首を傾げてルイスを見上げた 頭、枕硬い、見上げる? あ、膝枕のまま寝てたんだ 「あ、すまん。重かったよな」 律儀に今まで膝枕の状態でいてくれたのか 頭って結構重たいし、膝痺れたよな 「い、いえ!そんな事は・・・。唯・・・」 「唯?」 「いえ、何でも御座いません!お夕食の準備をして参ります!」 「あ、おいっ!待てって!」 ピシッと立って、ロボットのようにぎこちなくドアに向かって歩いて出て行った 俺の言葉を無視して 暫くして食事が運ばれて来た 肉やら魚やら、1つのコース料理が出来そうだ 「だから要らねえって。俺は腹減ってねえから食わねえぞ」 「そんな滅相も御座いません!」 「会話が迷子になってる!!兎に角俺は食わねえからな。折角持って来たんだから、お前が食え。俺に付き合ってて腹減ってるだろ?」 「そのような事を致す事は出来ません!シェフがノア様の為にと作ったものです。ですので…「だから何だよ!良いから食え。俺は食わん。お前が食わねえなら捨てる」 「捨てッ?!」 腹減ってねえのに食えるか 「ほら、あーん」 俺は、羊の肉の料理を小さく切ってルイスの口元に持ってった 「え、あ、ノアさm……むぐ」 「ほら美味えだろ?食え食え」 次々と料理をナイフで切ってはルイスの口の中に突っ込んで行く 騎士も魔術師も料理は賄われるが、結構質素らしい 質より量、食べて食べて体力を付けろって感じらしい だから、こんな見た目綺麗な料理は、食べる機会が殆ど無いだろう 「ちょっ!ノア様ッ!!!」 俺が椅子に座って、ルイスが横に立っている 何とも行儀が悪い 絶対周りが見たら卒倒するだろう でも、焦っているルイスの顔がとても面白い

ともだちにシェアしよう!